約 3,810,481 件
https://w.atwiki.jp/achdh/pages/162.html
⑬*⑭/ /第十四話 ノウラは既に、事実関係の大半を知り得ていた。 だからこそ、当事者達からの直接の言葉などは無為に等しきものであると断じ、代わりに彼らに告げるべき事実を告げる為に、次の口を開いた。 「──我々一族は、貴君等に多くの叡智を与えた。貴君等、統一政府が衰退した人類の復興の一助となり、賢明な統治者として君臨するであろう事を、望んだからだ」 ノウラは語る。自らの身体に流れる、何世代にも渡って受け継がれてきた血筋を。自身の一族が統一連邦政府と共に在り続けてきた過去を。彼らが今回の件──【エデンⅣ騒乱】で、人類の今後の在り方を確実に変えてしまう失態を犯した事を、彼ら自身に思い知らせる為に。 「貴君等の先達の遺した遺産を見誤り、貴君等は自ら王道を踏み外した。──末路は、自らが語れ」 十数時間前──【エデンⅣ騒乱】の引き金を引いた政府一派の暴走を、賢人会議は止める事が出来なかった。──正確には、黙認したのだ。統治者としての権勢が徐々に衰退していく中、それに焦燥を感じていたが故に彼らは致命的な過ちを犯した。 結末として、閉鎖型機械化都市【エデンⅣ】の都市機能の大部分を破壊したに留まらず、数百人の一般市民の死者とそれを遥かに上回る数千人の負傷者を出した。事態の真相の片鱗は【エデンⅣ】の管轄企業体であるグローバル・コーテックスも把握し、また、他の支配企業へも情報が伝播しつつある。 ──過ぎた叡智を、過ぎた手段で求めようとしたが故、統一政府は致命的な過ちを犯した。 最早、この後にやって来る世界情勢の混迷期の潮流を押し留める事はできはしない。 ──統一連邦の時代は、間もなく終わりを告げるのだ。 その末路を、統一連邦の失陥という形で来るべき時期に自らが露呈しろ──ノウラはそう言ったのだった。 絶望感にも似た退廃的な空気が仮想議事堂を包み込む中、ノウラの対面に位置して来賓椅子に静かに座る統一連邦の長である老人が、僅かに口を動かす。 「齢一世紀──老いた我々を捨て置き、ノウラ、お前は、過ぎたる叡智を何処へ連れて行こうという?」 歴史そのものと言っては過言でない程、統一連邦と共に一世紀という時間を過ごしてきた老人は言う。賢人会議の中では理事会議長のみが、ノウラの血筋──統一連邦に多く協力してきた学者一族の最も古い記録を直接知る人物である。ノウラもその名のみしか知らぬ、一族の始祖である曾祖父の姿を、対面の老人は一世紀も前の時点で顔を合わせている。 老醜染みたその面白みのない問いに対し、ノウラは僅かに口許を吊り上げて歪んだ笑みを創り上げた。 「──我々が望むは、世の安寧。貴君等では、其れを成し得なかっただけの話だ」 酷薄に努め、且つ極めて冷淡な口調でノウラは宣告する。古い石像のように固い表情を一同に介した賢人達が並べるその中に在って、唯一苦笑の笑みを静かに浮かべる者がいた。向かって右側の位置座標の来賓椅子に腰かける男は浮かべていた笑みを即座に隠し、双眸をノウラへ向けた。互いの視線が、僅かに交錯する。 ノウラは来賓椅子から腰を上げた。それを追うように理事会議長が言葉を投げかける。 「その為に、お前は世界を戦乱に招き込むつもりか──」 「引き金を引いたのは、統一政府──貴君等だろう。分水嶺を勘違いするべきではないな。では──」 終幕の言葉を自ら紡ごうとした瞬間、ノウラを中心とする全周囲に視覚化された膨大な量の情報群が出力された。眩い光源を伴う羅列情報群は忙しなく明滅しながら出力と削除を繰り返し、その光景にノウラは小さく嘆息した。傍らに立つメイヴィスに視線を送ると同時、全周囲で周回していた羅列情報群が一斉に霧散──代わって理路整然と形式立てられた電子防性プログラムの羅列情報群が緩慢な速度で周回出力を開始する。 「──最早、貴様等如きに我々は止められんよ」 それが、彼ら賢人会議への最後の言葉となった。それを待っていたメイヴィスは仮想空間への接続態勢を解除し、ノウラの位置座標が消失。周囲の景色が一瞬完全な闇の深遠に落ちた後、数秒のデジタル処理を経てノウラの意識構造は現実へと帰還した。 控え目な光源の照らし出す無機質な設備空間内を一瞥し、ノウラは頭に装着していたヘッドマウントディスプレイを取り外した。傍らに立っていたメイヴィスが手を差し出し、その手を取ってノウラは席から立ち上がる。 「大丈夫ですか──」 「ああ、仔細ない。お前のおかげでな?」 「過分な言葉です、ノウラ──」 どんな状況にあっても一切態度を崩さない書記官の佇まいに息をつきつつ、ノウラは若干疲労のたまった肩を揉んだ。 最後に安全保障理事会が仕掛けてきた電子攻勢──かなり周到に組み上げられた攻撃プログラムであった事はノウラも容易に理解していた。恐らく、自身達にとって最悪の結末が語られた場合、ノウラの意識構造をその場で即破壊する腹積もりだったのだろう。 そんな統一政府の暗愚な性質をよく知っていたノウラは、専属書記官であるメイヴィスを連れだち、彼女に直接電子防衛に当たらせたのだ。彼女の技術力であれば、選任安全保障理事会直属の情報技術部門──電子戦術対応部の電子攻勢など、赤子の手を捻るようなものだった。 メイヴィスが傍のデスクに置いたパソコンのディスプレイを注視し、 「ノウラ、外部から通信要請です。──理事会議員、マルティン・ローゼンタール氏です」 「──接続しろ」 「分かりました。ホログラム通信で出力します」 そう言い、メイヴィスがコンソールを素早く叩いて接続処理を完結させる。通信設備のみが置かれた無機質な空間内、ノウラの眼前にデジタル映像体が構築され、やがてそこに見覚えある男の構造体が現れた。 先程、仮想空間内で最後に視線を交えた人間だ。 政治的分野においてノウラにとって非常に古い知己であるその男──マルティン・ローゼンタールは、顎に蓄えた髭を撫でた後、ダークスーツのポケットに手を収めた格好で口を開いた。 『……時期は早まりそうだな』 「──それは、どうか。奴さんも一枚岩には見えなんだが?」 『振りだけだろう。此方の事ならば、心配は無用だ……』 「ならば私は問わん──。統一連邦内での今後の対応は、其方の采配に一任するとしよう……」 ノウラのその提案に、マルティン・ローゼンタールはおどけるように軽く肩をすくめて見せる。統一連邦政府内における彼の勢力の立場上、十数時間前に統一政府の起こした【エデンⅣ騒乱】に彼は関与していなかった。もしも関与していたのなら、【エデンⅣ騒乱】は何らかの形で回避できたはずである。 『有史史上、例の無い試みか──我々も踏み外さんよう、互いの足元を見ておかねばな?』 そう含みを持たせた言葉をマルティンは残し、軽く手を上げて別れを意図する。そして、極めて短い会話のみでホログラム通信は終了した。 わざわざホログラム通信で直接話を交わす必要はない。彼がそれをしてきたのは、単なる意思確認と社交辞令の類だろう。彼が述べるべき事柄は、専用ネットワークを通じて中間報告書が手元に送られてくる手筈になっている。 彼のデジタル映像体が消失した座標の空白をしばし見つめ、ノウラはメイヴィスを連れだって手狭な設備空間を後にした。 「──スリーパーからの成果は?」 「掛けられた最後のプロテクトが中々、堅牢のようです」 「成程──」 埃の積もった連絡通路を慣れた足取りで進み、ノウラとメイヴィスの後に薄く埃が舞い上がる。非常用階段から複数階下った先の階層に無尽に伸びる連絡通路の最奥部に設えられた一室の前へ、ノウラは到着する。 扉の前の哨戒兵に目線で指示し鈍重な隔離扉を開かせると、鼻腔をつく異臭が流れ出てきた室内へとノウラは臆する事無く踏み込んだ。光源の絞られた薄暗い室内、その中央に立つ数人の屈強な男達に「空けろ」と言い、ノウラは彼らに囲まれて尋問椅子に座らされていた一人の男の前に立った。 ひどく殴打された顔面から滴った流血がまだ若い男の衣類を赤黒く濡らし、そいつはノウラの気配に気づいて醜く腫れ上がった顔を上げる。 「時間が惜しい。手短に済ませろ──」 「わかりました」 同調したメイヴィスが動き、拘束状態に在る男の後背へ回り込む。その行動に気付いた男が俄かに抵抗の動きを見えるも、尋問官の一人が男の頭を鷲掴みして強引に挙動を封じ込んだ。 メイヴィスが軽く頷き、ポーチから取り出したウェアラブルコンピュータを起動、それを介して接続用コネクタを自身の頚部と男の専用ジャックに接続する。 メイヴィスが男の機械化電子脳に電子介入を直接開始し、それに伴って男の挙動が硬直したように停止した。 その奇なる光景を視界に収める中、腰元のポーチに差していた携帯端末が振動し、ノウラはそれを取り出す。小型の投射型ディスプレイを出力し、その中に見覚えのある青年の顔が現れた。 『──まだ途中だが、一応特定はできたぞ』 「ほう……、それで?」 短く先を促すと、ディスプレイの中のハルフテルは手元のコンソールを操作し、データファイルをノウラの携帯端末へ転送する。そのデータファイルを解凍してディスプレイに出力し、その映像付き詳細情報を一瞥した。 『──プライマルアーマー機構だと、断言して良いだろう』 「そうか……。よもや、此れほど早く実戦投入してくるとはな──」 『ああ。だが、然程憂慮すべき事態でもないんじゃないか?』 「どういう事だ──」 『記録映像をよく見てみろ……』 そう指示され、ノウラはタッチパネルに触れて一個の映像ファイルを再生した。映像にはミラージュ社純製のAC機体を模したネクスト兵器の姿が在り、その周囲を半透明の白緑色の膜が還流していた。 十数時間前、【エデンⅣ騒乱】の渦中で此の未確認機体と交戦した自社の契約戦力【AC】が記録したものでありる。契約戦力──ゼクトラが至近距離から撃ち放ったと思しき射突型物理ブレードは、その敵性機体が周囲に還流させる分厚い膜に完全に遮られている。 一拍あまりの空白を挟み、その膜によって守られていた敵性機体のカメラアイにセンサー類の再起動を示す光源が溢れ、その違和感にノウラは今しがたハルフテルの言った言葉との関連性に気付いた 「──まだ、未完という事か?」 『出力機構のエネルギーの大半を、同機構へ回している可能性が高い──つまり、環流制御技術に関しては未完成の域を出ていないという事だ。本来なら、たかだか数年程度で完成する代物じゃないからな』 「──そうか。だが、安堵するには少々重大な事実だな」 『まだ言うべき事はあるが──時間がないんだろう? 此方も報告書を纏めておく。好きな時にでも取りに来てくれ』 ハルフテルのその言葉がそのままの意味を指しているのならば、ミラージュ社が実戦に先行投入してきたネクスト兵器にはまだ言い足りないことがあるらしい。ノウラは言葉に出さず、代わりに軽く頷いて携帯端末での映像通信を解除した。 ポーチに端末を指し直し、ついでにソフトパックから紙巻煙草を一本抜き出して咥える。 「──お前達にとって、憂慮すべき事態は既に超過しているようだ」 ──三年前のジシス財団解体以後、統一政府が最も恐れてきた可能性。 財団解体と共に分散した旧世代の兵器技術が、各支配企業によって何れは実用化されるであろう未来。 世界情勢を席巻する兵器災害に対する要として開発研究されてきたネクスト兵器が、自己利益を求める者達によって自らに牙を剥く事が何を意味しているのか。統治組織として著しい形骸化を重ねて来ていた統一政府は、それを重々承知していた。 それに対する抑止力を保持する為だけに、統一政府は都市をひとつ丸ごと巻き込んで【エデンⅣ騒乱】という惨禍を演出した。ネクスト兵器に対抗できる兵器もまた、ネクスト兵器を置いて他には存在しない。そして、対等ではなく抑止力としての絶対的優位性を持つネクスト兵器の開発を統一政府は迫られていたのだろう。ノウラは、【エデンⅣ騒乱】の最中で、統一政府が執拗に求めていた対象の存在から、そんな因果関係を推測していた。 財団崩壊後、統一政府に手を貸して従来の抑止力──ナインボール・コピーの開発計画に関与していたからこそ、その次に彼らが迎える統治危機がどんなものであるかが、ノウラには手に取るように察知する事ができた。 統一政府が手に入れようとしている絶対的抑止力としての兵器価値を持つ戦力── 「──ナインボール・セラフ、か……」 そう呟いた時、メイヴィスによる強制的な電子支配下によって身体機能を簒奪されているはずの男の瞼が、僅かに動いたような気がした。 元々は、グローバル・コーテックス【エデンⅣ】支社の通信技術部所属の通信技官──というのが、この男の表向きの素性である。実際は、この男が【エデンⅣ騒乱】のお膳立てを内部から進めた元凶の一人──統一政府が複数送り込んできた潜伏工作員であった。 十数時間前に都市防衛戦闘が収束し、統合司令部内の第一種戦闘態勢が解除された直後の隙を狙い、この男は施設の人気のない連絡通路でノウラを背後から刺殺しようとした。 統一政府の関与を疑い始めた時点で既にその可能性にも思考を及ばせていた為、ノウラがその潜伏工作員を逆に無力化する事は難儀な話ではなかった。 ネクスト研究を行う組織として、ひとつの独立勢力として統一政府の動向を確かめたかったノウラは、潜伏工作員をターミナルスフィアが直轄管理する形骸企業の施設へ移送──必要な情報を絞り取れるだけ絞りとった。 統一政府と過去に密接な関係性を持ち、現在は独立勢力として旧世代技術分野の発展に著しい影響力を持つターミナルスフィア──その長を務めるノウラは、統一政府にとって非常に邪魔な存在だったのだ。【エデンⅣ騒乱】が成功しようとしまいと、最終的に統一政府の送り込んだ潜伏工作員はノウラを殺すつもりだった。 電子介入によって搾取した情報の中には、統一政府の狙った旧世代の凍結資材──公式には存在すら確認されていない生体CPUの詳細すらも載っている。通信技術部に潜伏する中で、生体CPUの正確な所在を把握したのだろう。しかし、どこで生体CPUの存在を知ったのかどうかについては、その情報はまだ眼前の男から搾取できていなかった。 最も強固なプロテクトプログラムが最後に展開されており、それを無効化する為に現在、メイヴィスが直接電子制圧を試みているのである。 ノウラは安易な推測を述べないが、もし最も整合性のある可能性を考えるとしたら、 ──統一政府と過去に接点を持っていた人間が、生体CPUの近くに居たとしたら? 尋問椅子に座る男の方へ視線を移したのと、男が宿す眼に変化が現れたのはほぼ同時だった。 それまで虚ろな色しか宿していなかった双眸が激情を湛えた獰猛な色にがらりと変わり、ノウラはその劇的な変化に目を見開いた。 潜伏工作員が電子処理脳に展開させていた電子防性因子は此れまでの尋問段階で既に駆除されており、現在はメイヴィスによって身体機能も含めて完全な制圧下にあるはずなのだ。 それを行っているメイヴィスの方を見やると、彼女は僅かな驚愕の感情を切れ長の双眸に映し出している。 そして男が野獣のような表情に変貌したかと思うと、恐ろしく低いうなり声を上げながら手足を縛っていた拘束縄を強引に引き千切った。 それと同時、電子干渉を受けたらしいメイヴィスが男の後背へ弾き飛ばされる。 手首足首からの出血をも無視する男は覆い被さるように抑えにかかった尋問官の兵士達を跳ね退け、ノウラ目がけ両腕を突きだして突進してきた。 両手の爪先が首筋に届く刹那、ノウラは脇に立っていた尋問官のホルスターから自動拳銃を抜き取り瞬時に発砲した。くぐもった銃声が狭い室内に響き、胸部に至近距離から銃撃を喰らった男が前のめりに倒れ込む。 鮮血をぶち撒けながらうつ伏せになった男はそれでも止まらず、這いずってノウラのもとへにじり寄ろうとし、ノウラはその男の双眸を見た。 自身の意識を失い、野獣のような攻撃衝動に支配された眼── ノウラは足元にまで近づいてきた男の後頭部に銃口を突き付け、引き金を引いた。 「──……」 指揮系統を完全に失った男の体がごとん、と床に伏せ、そいつが完全に沈黙した事を確認する。 一瞬で騒然となった室内、複数の兵士が男の身体を囲み、既に死体へと変わっている事を念入りに確認する。ノウラは手に握った自動拳銃を持ち主の尋問官へ手渡し、その光景を離れた場所で見守っていたメイヴィスに歩み寄った。 「何があった、メイヴィス?」 「──カウンター性エマージェンシー・プログラムです」 発動の際に発生した僅かな隙に、電子攻勢を受けたらしくメイヴィスは接続状態に在るウェアラブルコンピュータから調整用補整プログラムを自らの電子処理脳へインストールし始める。 「一撃を喰らうとは、お前らしくないな──」 「かなりの手練のようです──しかし、あのプログラムは……」 自身に一撃を喰らわせたカウンタープログラムに、メイヴィスは何かしら思い当たる所があるらしい。彼女の素性の片鱗は統一連邦に求める事も出来る為、あっても可笑しくはない話だろうとノウラは思った。 死体からこれ以上の情報を抜き出すことはできない。 ノウラは手頸に嵌めた腕時計に目線を落とした。 既に事態は急速に動き始めている。 統一政府自身が引き金を引いたのだ。 最早、今後加速する潮流は誰にも止められない 止められないのなら、その流れに乗らねば淘汰されていくのみ。 「機構会議がそろそろ始まる──行けるか、メイヴィス」 「ええ、問題ありません」 20分後──グローバルコーテックス【エデンⅣ】支社主導による機構調整会議が開催される。 長らく、この計画に賛同した者達が望み臨もうとしてきた一つの極点の始まりが、其処に在る。 * AM03 25── 機構調整会議の開催上として設けた仮想空間には、既に招聘した傘下企業の代表等が集っていた。仮想空間への映像体のアップロード後、今回機構調整会議の緊急開催を決定したコーテックス支社長のエウヘニアは初期の位置座標から一歩踏み出す。 自然背景を模した空間映像は緑に溢れ、小川の静涼としたせせらぎがこの空間に集うものの心の緊張感をいくらかでも和らげてくれる。 傍に立つ秘書官の女性がエウヘニアに近づき、軽く耳打ちした。 「既に大半の信任を得ています。残りの者も、この審議次第だと……」 「そう、わかったわ──」 涼流の岸辺の方々に集まる企業代表達の注目の視線を受けながら、エウヘニアは水辺まで歩み寄る。水底で小魚達が鈍色に煌めく様子を一時見下し、それから静かに待っていた参加者たちの方を振り返った。 小さく、しかし長く息を吸い込む。 「諸君に集まってもらった経緯は、既に承知の事と思うが──我がグローバルコーテックス【エデンⅣ支社】の今後の進退についてだ」 淀みなく、今回述べるべき事柄に触れる。流石は百戦錬磨の企業代表達と見るべきか、その重大な案件を前にしていずれもが研ぎ澄ました雰囲気を湛えて静かに佇んでいる。 エウヘニアは続ける。 「──約百年前の大戦後、我々支社グループは衰退した人類社会の復興の為に、コーテックス本社と協同して尽力してきた。しかし、五年前、世界情勢を席巻した兵器災害以降、本社は徹底的な中央集権化を推進し、傘下企業を直接統合するばかりか、武力侵攻を行ってまで自社権益の確保に走りつつある。その様な本社の暴走を喰い留め、グローバルコーテックスを在るべきものとするために我々【エデンⅣ支社】は今日の繁栄を築いてきたはずだった。──しかし、どうか。今回の騒乱に際して本社は我々【エデンⅣ支社】の被った被害規模を把握しているにも関わらず、何ら有効な支援策を講じようともしていない。──本社は我々を恐れていたのだ。我々一同が崇高な理念と志を持って、グローバルコーテックスの繁栄に勤めてきたその事実、我々が企業グループの権益を簒奪するのではないかと。だからこそ、本社は支援復興策を講じず、我々支社グループが経済管轄企業として充分に衰退するのを傍観しているのだ……」 静かな口調で、しかし強い意志をこめてエウヘニアは言い切った。そして、今後のグループ一同の進退を問う言葉を次に紡ぐ。 「私は狂言を好まない。此処に集ってくれた志在る諸君らに、忌憚無く問おう── ──我々の新生、分離独立は可能か?」 その、堅固な意思を確かめる言葉に、一同は変わらず研ぎ澄ました表情を持って受け止める。 この場に在って、異を唱える者はいない。 「──よろしい。我々グローバルコーテックス【エデンⅣ】支社は、今後本社経営管轄下からの実質離脱を計る。然るべき機会を持って我々支社グループは分離独立──グローバルコーテックス改め、独立後企業体名を、【グローバル・アーマメンツ】として新生する──」 * 『──【グローバル・アーマメンツ】として新生する──』 そう締め括られた言葉を、ノウラとメイヴィスは仮想空間内の離れた位置座標、小川は上流の岸部からしかと耳にしていた。機構調整会議へ非公式という形での招待をエウヘニアから受けていた為である。 「動き始めましたね、ノウラ」 「──我々は進むぞ」 混迷の時代への潮流を、誰もが明確な意図を持って早めようとしている。 ──【エデンⅣ騒乱】は、閉鎖型機械化都市一つを巻き込んだ未曽有の大惨禍として、その後の戦争史に名を残すこととなる── * ──【エデンⅣ騒乱】勃発から約二時間後 AM09 55── 「──安全圏離脱を確認。機体制御態勢を第一種戦闘態勢から第三種広域警戒態勢へ移行処理します──」 閉鎖型機械化都市【エデンⅣ】から遠く離れた帰還領域への到達と同時に、アンヘラが機体制御態勢の移行処理を完結する。第三種広域警戒態勢への移行に合わせてAMS接続負荷が不意に軽減され、頭の中に直接圧し掛かっていた重圧が消失した解放感にアンヘルは胸中で小さく息をついた。 足りないAMS適性のいくらかをアンヘラを通じてごまかしAMS接続を実現しているとはいえ、機体制御に最低限必要なAMS接続ですら搭乗者の心身負荷はかなり高い。生命の安全を保障された機動試験ならばともかく、そうでない実際の戦場では負荷効率は著しく悪化してしまう。 「申し訳ありませんでした、アンヘル様──」 「気にするな……」 此方の接続負荷による身体損耗についてアンヘラは言及したらしいが、それについて咎める術をアンヘルは持ち合わせていなかった。機体制御システムの根幹である統合制御体との仲立ちをする重要な要素として、アンヘラは最大限の支援態勢を尽くしていたのだ。それは直接AMS接続を介していたアンヘルが最もよく理解していた。 数十キロに渡って伸びていた廃棄軍事ラインの終着点に到り、統合制御体に軽く語り掛けて地上へ直結する連絡通路に進路を取る。最低限の警戒灯が灯る連結通路を巡航機動で疾走する傍ら、 「──何故、排撃しなかったのですか?」 咎めるような口調ではない、しかし、心底理解しかねると言ったような僅かな抑揚を含んだ言葉。 その問いに対する返答を簡単に口にする事はできない。アンヘルにとってそれは難しいものだった。 だからこそ、アンヘルは偽りなく簡潔に述べた。 「──友だからだ」 共に長い年月を戦場で過ごしたかつての戦友だったから。 閉鎖型機械化都市【エデンⅣ】が未曽有の騒乱劇に見舞われていた中、グローバルコーテックスを中心に構築されていた防衛ネットワークシステムにアンヘラは直接電子介入していた。その中で、ナインボール・コピーの撃破が報告され、その時点でアンヘルは元来与えられていた任務の消失を確認、基幹基地への帰投を意思決定した。 地下核部で交戦した友に別れを告げる直前に、その報告と意思決定をしたから見逃した──そう言えば自分にとっても彼女にとっても詭弁になることは違いなかった。そして、アンヘル自身がそう述べる事を許さなかった。 その一瞬の空白による逡巡を天秤に掛けたことは、疑いようがない。 しかし、数十分前のあの戦場に際して、アンヘルは願った。 最も親しく戦場を駆け抜けてきた友との別れが、こんなモノであって良いはずはないのだと。 かつていくつもの死線を潜り抜けてきた戦友達の始末を、自身の手で行うと決めた以上、相見える者が何者であろうと眼に付いたならば、即座に葬るつもりですらいた。 自身の退路を断つ為に、偶然に故意を含めてネクスト兵器まで持ち出したのだ。 ──だが、友はその彼我の戦力差からやって来る死の瞬間を、互いの生命が天秤に乗る局地にまで運びこんだ。 死に損ねた兵士としての己と友──綺麗な死に様を今更望んだ訳ではない。 しかし、彼女とはもう少しこの螺旋の中で戯れたい──アンヘルはそう思ったのだった。 アンヘルの駆るネクスト機体【カルディナ】が連絡通路の終結点へ到着し、それを先行して確認していたアンヘラが隔壁扉を開放。巡航速度をそのままにアンヘルはカルディナの機体を地上へ滑り出させた。 周囲一面に広がる荒野──しかし到る箇所に兵器の残骸と思しき金属片が埋没し、その錆びた姿を曝していた。 ──古い戦場か その荒涼とした景色を視界に収めつつ、広域警戒態勢にあるレーダーで友軍の派遣した機体回収機の接近を捕捉する。 見渡す限り何処までも続くその光景を見つめ、やがて地平線の果てからやって来る回収機の機影を肉眼で捉えた時、アンヘラが口を開いた。 「──では何故、殺そうとしたのですか?」 「──かつて、友だったからだ」 成すべき夢想の為に切り捨てねばならない、過去の重圧。 螺旋から永久に抜けられないのなら、下るか上るかを選択せねばならない。 お前はどうだ、ファイーナ── 第十三話 終 →Next… 第十四話 コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/12063.html
登録日:2009/06/10(水) 23 12 07 更新日:2024/04/01 Mon 20 51 09 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 AC AC4 ARMORED CORE ARMORED_CORE PS3 Xbox360 アーマードコア アーマード・コア ゲーム フロムソフトウェア フロム・ソフトウェア リンクス 神話の御世において (´神`)とは力である (神話の御世にあって、神とは即ち力のことである) In The Myth,God Is Force ○概要 ARMORED CORE4とは、FROM SOFTWAREより発売されたハイスピードメカアクションである。(以下AC4) ARMORED COREシリーズとしては12作目、シリーズ初めての次世代機作品であり機種ごとに発売日が異なる。 (PS3版:2006年12月21日発売 Xbox360版:2007年3月22日発売) キャッチフレーズは「In The Myth,God Is Force」 かつてあった国家という枠組みが企業によって破壊された世界。 企業によって管理される箱を舞台に、災厄を招く次世代ACとその乗り手たるリンクス達や企業の骨肉の争いが描かれる。 従来作品にあった「企業が支配する世界を圧倒的な暴力であるACで駆け抜ける」という図式がより強調された、ある意味でのリニューアル作品。 難易度や雰囲気は良くも悪くもARMORED COREシリーズといった所、初ACとして楽しむのならば最適。 ロボゲー初心者であれば、比較的難易度が低い続編から戻ってくるのも良いだろう。 ○ゲームの特長、変更点 従来のACに変わり様々な新機構を搭載した『ネクストAC』と、それを支えるコジマ粒子の登場。 ゲーム機が次世代機になったように、本作ではプレイヤーが操るACも次世代機になっている。 一方、現代から遥か遠未来を描いている旧作とは異なり、本作は現代から遠くない未来という事から、 サイエンス・ファンタジー寄りの装備類はその多くが削除されている。 ネクストACの主な変更点 全面的にスティック操作に移行し、N系で言うB操作に類する操作方法は撤廃された 地上ブーストでENを消費しなくなった。これにより、旧作の「小ジャンプ移動」が不要になった慣性や加速度、抵抗や空力などの新たな概念の追加によって地上ブーストの速度は下がっており、代わりに空中でのブースト速度が上昇している 機体を任意の方向へ急加速・急旋回させるクイックブーストが実装され、所謂「ステップ移動」が可能となった オーバードブーストが標準装備され、同時に全コアで格納が可能となった。代わりにEOは廃止されたブースター自体もメイン、サイド、バック、オーバードブースターの4個に細分化され、前後左右の速度に差をつける事が可能に 機体の荷重や空力を調整するスタビライザーの追加単純に挙動に独特の癖を付けるだけでなくドレスアップパーツとしての役割も持っている 従来のロックシステムから半オートロックシステムに移行、「サイトサイズ」の概念が無くなった 従来の熱量が撤廃、代わりにコジマ粒子バリア「プライマルアーマー」が登場し、それに関連するパラメータも併せて登場しているPAは、特に実弾兵器の威力を大幅に減衰させるが、被弾やOBの使用により減退し、消滅すると再展開まで防御が薄くなってしまう このため、「本体防御力は厚いがPAが薄いパーツ」と「PAは厚いが本体防御力はスカスカ」なパーツや「低火力だがPA減衰力が高い武器とPA貫通力は低いが高火力な武器の併用」といった、新たなアセン思想や戦術が齎された APがついに10000をはるかに超え5桁の大台へと足を踏み入れた但しそれに合わせて武器の火力もインフレし、それ以前の時代より機体自体はもろくなっている 全ての手持ち武装が左右両用となり、右手専用・左手専用武器の概念が消滅した。これに伴い、初めてレーザーブレード二刀流が可能となっている ○ストーリー 政府が政治力を失い、テロが横行し貧困が蔓延する世界。 頻発するテロや暴動を鎮圧、秩序を回復するために、軍隊はより強力に、より高度に機械化され、軍に兵器を提供する軍産複合体たる企業も、その影響力を強めていった。 加速していく世界や政府の衰退。経済システムの危機。 それらを打開し新たな統治体制確立のため、実質的最高権力組織となっていた6つの企業組織が全世界の政府に対して、全面戦争を開始した。 後に『国家解体戦争』と呼ばれるこの戦争は、企業側が投入した最新鋭兵器、特に、コジマ技術などの最新技術を盛り込んだわずか30機にも満たない新型AC(ネクストAC)が決め手となり、数多くの国家軍隊はなすすべもなく壊滅。 勃発からわずか一ヶ月程度で、企業側の圧倒的勝利で終結した。 これにより、企業による統治が開始。 企業による新たな統治体制が開始されてから5年後、世界は様々な問題を内包しつつも表面上での安定を保っていた。 国家が解体した後、企業は資本主義をベースにした社会主義のような体制を作り出し、人々を支配するようになる。 賢明なる経済主体たる企業が資源と市場を独占し、裕福な生活は一部の特権身分である企業関係者のみに許され、一般市民は「コロニー」という集団生活の場に押し込められたまま糧食を得る為だけの労働に従事し続けるしかなかった。 企業同士が水面下で憎み合い、人々に無気力が蔓延する世界……。 これを 『パックス・エコノミカ(経済による平和)』と呼ぶ。 一方、鬼才イェルネフェルト教授が開発した数々の先端技術を主産業としていたコロニー『アナトリア』。 しかし教授の死と技術流出が重なり、深刻な経済危機に陥っていた。 教授の跡を継いでいた指導者、エミール・グスタフは教授の愛娘フィオナ・イェルネフェルトに国家解体戦争で重傷を負い、命を救われた男――伝説的なAC乗り(レイヴン)を利用し、傭兵稼業を開始することを決定する。 この時従来のACを凌駕し、強力な機動兵器となっていたネクストの運用には、パイロット(リンクス)にAMS適性と呼ばれる特別な才能が必要であり、フィオナの助けた男には、僅かながら適性が発見されたのだ。 だが、運用に必要なAMS適性が低い主人公には凄まじい精神負荷が掛かる。フィオナはそれを知りつつも主人公を利用しなければならない事に心を痛めていた。 かくしてアナトリアのため、恩人であるフィオナのために主人公は戦いに身を投じることになる。 ○主な登場人物 ●主人公(アナトリアの傭兵) リンクスNo.39。かつては『伝説』とまで言われた腕利きのレイヴン。 国家解体戦争で重傷を負うが、フィオナによって命を救われリンクスとして再び戦いに赴く。 シリーズ恒例だが、作中では名前が明かされない。 所属するコロニー名から「アナトリアの傭兵」、もしくは過去の経歴から「レイヴン」と呼ばれている。 AMS適性は決して高くはなく、主に戦闘経験を理由にリンクスに抜擢された。 このため敵からは「時代遅れ」だの「旧時代の遺物」だの「雑種」だの散々馬鹿にされ、味方にさえも「置物」と言われることがある。 だが彼らは後に思い知る事になる。 自分たちが生み出した悪魔と、傷ついた鴉の恐ろしさを。 ●フィオナ・イェルネフェルト(CV:坂本真綾) 今作のオペレーター。ネクスト関係の研究者であるイェルネフェルト教授の娘で、主人公の命の恩人。 アナトリアの為に主人公を利用することに負い目を感じており、傭兵として過酷な戦いに臨むその身を案じている。 作中何度も主人公をいたわる発言があり、声もあいまって多くのプレイヤーを萌えさせた。 しかしオペレーターとしては素人らしく、明らかに形がトレーラーな輸送車のことを輸送機と言ったりしてプレイヤーを惑わせる。 ●エミール・グスタフ(声:沢木郁也) 故イェルネフェルト教授の部下。教授亡き後、コロニーアナトリアの全権を担う。ネクスト技術者であったが、むしろ政治家として才能を発揮する。チャプターごとのストーリーは老いた彼の回想。 経営危機に陥ったアナトリアを立て直すため、技術研究用に所有するネクスト機体を用いた傭兵業を発案、主人公に計画への協力を依頼する。 ●ジョシュア・オブライエン(声:中田譲治) フィオナの知人で軽量2脚型ネクスト「ホワイト・グリント」を駆る傭兵。コロニー「アスピナ」に属する。 リンクスNo.は40で、登録ナンバーは最も新しいが、かつてはAMS技術の被検体であった為、高いAMS適性と長いネクスト搭乗歴をもつ。 主人公とは時に味方、時に敵として度々戦場で相見える。 企業専属ではないため、機体はあらゆる企業パーツの混成となっている。 機体は高機動戦重視の軽量タイプ アサルトライフルにレーザーブレード、肩にレーザーキャノンと少々火力不足 正式な名前は「ジョシュア・O・ブライエン」。 ●アマジーグ(声:小野大輔) ホワイトアフリカの反体制組織「マグリブ解放戦線」に所属するリンクス。 軽量二脚型イレギュラー・ネクスト「バルバロイ」を駆る。 味方をコジマ汚染に晒さないようにするため単独で戦い続け、マグリブ解放戦線内では英雄とまで呼ばれる。 AMS適性が低い彼がネクストを操縦するには致命的な精神負荷を伴うが、寧ろそれを受け容れることで高い戦闘力を引き出している。 その格好良さ、キャラクター背景から彼が主人公でも物語は成立すると思われる。 だがそれを真っ向から潰すのがACである。 キャラの紹介から中年から壮年の男性のようなイメージを受けるが、声はかなり若い。 登場企業 GA陣営 GA社(GAアメリカ) MSACインターナショナル クーガー 有澤重工 ローゼンタール社 オーメル・サイエンス・テクノロジー社 イクバール テクノクラート レイレナード陣営 レイレナード社 GA社(GAヨーロッパ) アクアビット社 BFF社 レオーネメカニカ メリエス アルドラ ジョシュア「こちらホワイト・グリント。リンクス、ジョシュア・オブライエンだ。Wiki篭り、活躍は聞いている。追記修正、よろしく頼む」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 個人的には、他のACシリーズとの一番の差異は、旧世界の遺産がないことだと思う。 -- 名無しさん (2018-12-19 23 04 54) ロックオン解除って4からじゃなくて3から出来てたよね? -- 名無しさん (2020-11-20 15 39 24) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/achdh/pages/154.html
⑤*⑥*⑦ 含みを持たせた言葉にガロが冷静な返答をよこす。 中央メインモニターに都市全域への戦力配備状況が次々と舞い込み、統合司令部の指揮機能確立に従って戦線が徐々にではあるが、確立しつつある。 「此れからが本当の戦場だ。──貴様らが何を望んでいるのが、ゆっくり教えてもらう事としよう」 かつて自らが与えた叡知を使い統一連邦は何を求めているのか、この騒乱の終わりの時にどんな結末が用意されているのかを想起し、ノウラは口許を大きく歪めた。 AM08 05── * ──その戦闘は後に【ナヴラティロヴァの惨禍】と呼ばれ、30年以上に渡って戦争史に語り継がれる事となった。 『──完全な奇襲及び殲滅戦闘だ。目に映る者全てを逃すな、徹底的に蹂躙しろ』 無線を介した部隊指揮官のその声に、作戦に投入されたレイヴン達は各々返事を返す。 青白い光を放つメインディスプレイ下のコンソールに指を走らせ、強襲殲滅型に調整の施した搭乗機の機体制御態勢を第一種広域警戒態勢から第一種戦闘態勢へ移行する。 急場仕立てで用意された機体のコクピット内は埃の据えた臭いが酷く、慣らされていないシートは座り心地が悪い。搭載されている戦術支援AIもかなり旧式のもので、女性のプログラムヴォイスは割れていた。しかし、今はどうでもいい事に関して文句を垂れる状況ではなかった。 周囲は最も暗い時刻の闇夜に呑まれ、周囲で出撃命令を待つ友軍機の機影すらまともに視認できない。有視界索敵は困難であると判断し、夜間戦闘支援システムを起動した。投射型メインディスプレイに出力されている有視界が暗緑色に染まった時、再び無線を通じて部隊指揮官が口を開く。 『状況は最早詰み切った。総員、出撃──』 その号令が伝えられ、荒涼地帯に鎮座する軍艦の亡骸の影に待機していた強襲部隊は移動を開始した。その部隊の前衛として急造機体をブースタ噴射で進ませ、暗緑色の有視界前方に目標地点を捕捉する。 頭上を友軍の航空戦力部隊が追い越し、その数分後、先制攻撃としての重爆撃が制圧目標である要塞都市に対して加えられ始めた。広大な敷地面積と堅牢な防衛体制を持つ要塞都市に向けて、無数の誘導ミサイルが降下し、それを迎撃ミサイルシステムと高射砲群の弾幕が出迎える。 眼前の都市上空部にいくつもの火球が産まれ、それらの下降に従ってついに都市全域へ誘導ミサイルの戦火が齎された。瞬く間に要塞内部の各所で火の手が上がり、ようやく出撃してきた敵航空戦力が空中で交戦を開始する。混乱に紛れて荒涼地帯を縦断していた強襲部隊に航空戦力が接近し、それを旧式レーダーが捕捉。 『敵航空部隊に構うな、突出するぞ』 そう言うと指揮官は強化推力機構であるオーバードブースト・システムを起動、背部ノズルから高出力の噴射炎を吐き出して先行増速した。それに続いて後続機もオーバードブーストを起動し、上空から降り注ぐ弾幕の中を突出していく。大地に突き刺さった火線が粉塵を散らし、運悪く致命打を受けた友軍機から順にその場で爆散していく。それでも強襲部隊は止まらず、それらを置き去りにして進んでいく。 この作戦で、止まる事は許されていなかった。 一度走り出したら、全てを燃やし尽すまで止まってはならない── それが、この戦場の前線に取り残されたレイヴン達の可能性だった。 自分を含め、もとより国籍も社籍もない無色の烏達の集まった部隊だ。これからどういう戦闘を全うしようが、それを言い咎める者は居はしない。そして、そうしなければ彼ら自身が生き残れないのだ。 強行突出の中で六機が大地に散り、その犠牲を払って強襲部隊は要塞都市の外郭部全容を肉眼で捉えた。既に秘密裏に接近していた工作部隊によって仕掛けられた爆薬が外郭部を吹き飛ばし、一際大きな轟音が周囲を突き抜ける。大型掘削機が貫通痕に残った瓦礫片を取り払い、瞬く間に三ヶ所の侵入経路が構築される。 『全機止まるな。このまま都市内部へ進入、各機殲滅戦闘を開始しろ。幸運を祈る。そして願わくば、また会おう──』 まるで遺言とも取れる言葉を指揮官が残し、彼の機体が真っ先に外郭部に空いた貫通痕へ突入していく。 さらに三機、友軍機が突入までに破壊される。AC機体一機がようやく通れるほどの貫通痕をギリギリで通過し、都市内部へと進入した。 その時、否応なく実感した。 嗚呼──今、自分は死地を迎えるのだと── 市街地で展開されている戦闘は既に初めから死線を迎えており、自分は奥歯を噛みしめるとフットペダルを大きく踏み込んだ。 陽が二度上ったその日の夕刻、後に【ナヴラティロヴァの惨禍】と呼ばれる事になる戦闘は終結した。 参戦した主戦力、45人のレイヴン達によって要塞都市は完全に制圧され、非戦闘員二万人を含む敵対軍勢力は殲滅された。 戦闘終息の時を迎えたレイヴンは、わずか6名だった── 30年後──閉鎖型機械化都市【エデンⅣ】── AM07 42── 営みの軌跡が灼け墜ちていく──。誰が咎められるというのか。醜くも、また美しくもなく、ただそれは我々の生み出した産物を我々の生み出した産物が蹂躙しているというだけの事実に過ぎないのだ。 果てに迎える物が全てを無価値としてしまう灰だというのなら、我々がその是非を問う事は無為以外の何物でもない。 我々はそれを前にして、何も問えはしないのだ。 『──多数ノ動体反応、接近』 旧式も甚だしい戦術支援AIが戦況報告を極めて機械的な声で発した。ラヴィは原型を留めない残骸となって燃え盛る匡体が散らばる幹線道路を視界全面を意識しながら、メインディスプレイ上のレーダーを同時に注視した。 理路整然としていながらも多重都市構造によって複雑な市街形態を形成する商業区画の各方面から、ラヴィの現着現場に向けて数十の熱源反応が急速接近してきていた。動体反応は各個で動いているように一見して映るが、其処にはある規則性と一切乱れない規律性が介在しているのをラヴィは一瞬で見抜いた。 「増援か──」 レーダー上で目視できる反応数は14機──純粋兵力にして機動分隊規模の機影を確認しながらも、ラヴィは彼我の戦力差に対して一切の焦りを抱いてはいない。搭載センサー群が収集する情報群とレーダー上から推測できる要素を吟味した結果、その14機から成る増援勢力がAC戦力である事を最悪、且つ不可避の可能性として挙げる。自身が搭乗する四脚機体──バーンアウトの機体状態をディスプレイで確認、ラヴィはフットペダルを踏み込んで隔壁前道路から手近な幹線道路へと滑り込んだ。頭上を多重型幹線道路と複雑に絡み合う摩天楼が埋め尽くし、区画全域の大停電状態にある地上は正しく闇の深遠に落ちていると言えた。 夜間戦闘用システムを稼働中の暗緑色の有視界に意識を払いつつ、前方多方向から突出してくる動体反応の状況をレーダーで逐次更新していたが、有効戦闘射界へと動体反応が侵入した瞬間、レーダー上から全ての動体反応が消失した。 その突然の事態にラヴィは眉を顰めてみせた。搭載センサー群の幾つかも機能不全を起こし、ディスプレイ上に[- Seach Error -]の警告メッセージが次々と出力される。 「ECM攻勢──慎重だな……」 複数の搭載電子機器が同時に機能不全を起こす理由としてそれ以外の可能性はなく、また、接近機動からECM展開までの手際の良さを鑑みるに、相当な場数を積んだ練達の戦闘部隊なのだろうとラヴィは行きつく。 動体反応を捕捉する手立ては有視界索敵と当てにならない電子索敵装置、圧倒的な戦力差を前に普通ならば諦めざるを得ないだろう。 しかし、ラヴィは動体反応捕捉から消失までの僅か十数秒の間、対向し得る手立ての欠片を見出していた。 火器管制システムを両腕部兵装へ固定維持し──主兵装である右腕武装のグレネードライフルに意識を傾注する。レーダー反応消失からの経過時間は24,5秒──思考をフルに回転させて状況のシミュレーションを行い、経過秒数が31,5秒に達した瞬間、ラヴィはフットペダルを大きく踏みつけてメインノズルから噴射炎を吐き出し、バーンアウトの機体を発進させた。ビルの影から飛び出して迷いなく向かいの影へ入り込み一区画先の車道へ機体を滑り出させる。 隠密機動を持って接近してきていた動体反応のうちの一つ──一機のAC機体とほぼ正面から対峙、グレネードライフルのトリガーを絞る直前、有視界に捕捉した敵性動体はラヴィにとって感嘆とも言える判断速度でビルの影に滑り込んでいった (やはり腕がいい──だが、些か直線的、といったところか……) 前方右舷へ姿を潜ませた目標は追わず右腕兵装の射撃態勢を維持したまま発進、機体を後進させて右舷同区画へ入り込む。 それは戦術支援AIの行う所の戦況計算と定義するにはあまりに不定形であり、少なくともラヴィにとっては意識的にやっている類のものではない。予知や予測ではなく、ラヴィの身体に刻みこまれた決して消える事のない、戦場の経験則が彼を正しい戦況へと運ばせているといっていいだろう。 その経験則は、ラヴィを現戦域に留まらせるつもりはなかった。ラヴィは投射型メインディスプレイに商業区画の 全域詳細を模した3Dマップを出力した。 「ふむ──」 遮蔽物を最大限に利用した市街戦を展開するにしても、致命的なECM環境下と明白な戦力差の前では此方が先に消耗し切る可能性が非常に高い。ならばそのあらゆる不利な複合要素を覆し、戦況をイーブンに出来る戦域を自ら選べばいい。 其処に最適な場所をマップから検索出力して最短かつ最適なルートマップを表示、ラヴィは迷いなくメインブースタを吹かした。ナビゲートシステムから外れたルートを意図的に選択肢、現区画を飛び出した。 機能復旧の見通しが立たない搭載センサー群は変わらずエラーメッセージを出力し続けている。魔天楼が頭上に林立する幹線道路を最大推力で前身し、前方120メートルに肉眼で目視できる交差路手前の角へ急速転回した。人工の要害として盾になるビルの影に紛れて正規進路であった交差路を迂回し、その間際に其処でラヴィの通過をアンブッシュしていた動体目標を有視界に捉えた。 しかしラヴィは自ら先制を加えるような真似はせず、そのまま素通りして再び人工の迷宮の中へ紛れ込んだ。 搭載センサー群による情報収集に頼らずとも、敵性動体群の動向を的確に把握する術がラヴィには備わっていた。先ほど隔壁設備前で交戦した強襲型MT部隊──帰属組織を示す部隊章などが見当たらない所属不明部隊であったが、殲滅するまでの手合わせの中でラヴィはその部隊の身元についておおよその推測を立てていた。 その手合わせの時と同様、ECM環境下に身を溶け込ませてラヴィを追う未確認AC部隊もまた、非常に洗練された戦術展開を行っている。ラヴィがECM環境下に曝されても的確に目標を捉える手腕である事を確認する手腕を持ち、また、迎撃展開に最適なポイントへルートマップに頼らず移動しようとしている事も既に把握している。 相当に練達の精鋭戦力に違いない、ラヴィは推測していた。ただ、其処にはおおよそラヴィがこれまでにくぐり抜けてきた戦場で対峙してきた敵対勢力──大手傭兵仲介企業帰属や根無し草のレイヴンのような泥臭さは一切伴っていない。 戦術展開の速度や配分、そして何よりも戦場全域を包み込む異様に無機質な気配が、敵対勢力の何たるかを伝えてきていた。 「450メートル──、来るか……」 指定現場までの直線距離は450メートル、既に軌道幹線道路に機体は乗っているためこれ以上の有効な回避行動は必然的にとれなくなる。ラヴィは前方直線道路の左右で待ち受けているであろう敵性動体数を数え、戦術支援AIに指示してオーバードブースト・システムの起動プロトコルを進行させる。 フットペダルを大きく踏み込んでメインブースタから高出力の噴射炎を吐き出し、バーンアウトの鈍重な機体を最大推力で押し出す。軌道幹線道路の六番交差路を過ぎた時、ラヴィの推測通り、過ぎ去り際の有視界両端に動体目標が二機、映り込んだ。肉眼捕捉から間髪入れずブースタを調整噴射して機体を後方へ転回させ、ラヴィはグレネードライフルのトリガーを引いた。後背から牽制射撃を行うべく飛び出してきていた動体目標二機目がけて榴弾が飛翔し、牽制射撃の弾幕に被弾して路上を一際大きな火球が埋め尽くした。時間にして数秒足らずだが、それでも後方からの追撃を遅らせる事が出来る。その大きな機会を生かす為、操縦把上部のスイッチを押し込んだ。オーバードブーストシステムが起動し、専用の後方ノズルから吐き出された過剰推力が時速500キロでバーンアウトの機体を押しだした。後方の牽制射撃の失敗を見越してさらに前方に待機していた二機の動体目標の間を切り抜けて置き去りにし、複数の車道合流点となる軌道幹線道路へ進入。 『熱源反応、急速接近。地対地ミサイルデス』 後方搭載カメラの有視界から把握した戦術支援AIが多数の熱源反応──地対地ミサイルの接近を報告し、ラヴィはバーンアウトの機体を左右へ振りまわす。いくつかのミサイル弾頭が軌道を著しく反らして左右の建築物へ衝突、大規模な爆発を起こして瓦礫片を周囲へ撒き散らす。 『熱源反応、サラニ14基捕捉──』 後方道路の空域全てを埋め尽くすミサイルが接近し、最早機体のみでの回避行動は不可能な物量が押し迫る。その時眼前に軌道幹線道路の終着点が飛び込み、ラヴィはオーバードブーストの前進推力を強引に跳ね上げた。後方から急追してくるミサイル群を従えてそのまま前方の広大な空間へ飛び込むと同時、オーバードブーストシステムを機能解除、その場で機体を転回。バーンアウトを正面に迫るミサイル群と対峙させる。余剰推力によって高速で滑走を続ける中火器管制システムを背部兵装と左腕兵装へ転換、連装型榴弾射出砲を前方展開した。さらに内部保機兵装も準備し、激しく流動する有視界の中に迫るミサイル群を捕捉、ラヴィは背部グレネードキャノンから二発の大型榴弾を射出、同時に内部保機兵装及び左腕兵装の腕部携帯型無反動砲からもロケット弾を撃ち放った。ミサイル群の前列に飛び込んだ榴弾が派手に炸裂して後続のミサイルを巻き込み、路上周囲十数メートルに在った建築物を強大な爆圧で吹き飛ばす。加えてそこへ進入したロケット弾の焼夷弾頭が誘爆して可燃性ジェルを飛散させ、周囲一帯に数千度の炎を撒き散らした。 対炎熱装甲を持たない機体では到底乗り越えられない、超高温の炎の海が前方軌道幹線道路にたゆたい、その境界線を越えて飛び込んで来ようとする動体反応は見受けられない。 その事実を確認してから、ラヴィは自身が飛び込んだ広大な施設空間を見渡した ──商業区画第8ターミナルエリア。 理路整然にして複雑怪奇な都市形態を持ち、それに合わせて同様の構造となった数十の交通形態が共有する交通施設の要衝のひとつである。多くの幹線道路やリニアレールが合流する場所でありその為だけに一区画分が各ターミナルエリアに用いられている。周囲には乗り捨てられた自動車やリニアモーターが鎮座している。適度な遮蔽物と回避機動、及び目視戦闘を行うに十分な広さである。 各兵装の次弾装填の完結を確認した時、前方数十メートルに広がっていた炎の海が不意の轟音と共に弾け飛んだ。続けざまに数発の爆発が響き、砕片と共に赤々しい炎が周囲へ散らばっていく。飛散した炎が散乱し、周囲の大気が醜く歪曲した幹線道路の奥から、そいつらは現れた──。 十四機から編成される未確認AC部隊──最前衛の一機が飛散した炎の残り火を踏み砕き、一糸乱れぬ統率力を持ってターミナルエリアへと進入してくる。 その無機質な気配は、まるで戦場の死神のようであった。 やが十四機のAC部隊は前方に二重横列重体を形成し、約数十メートルの間合いを隔てて停止した。 そして最前衛の一機からオープンチャンネルで通信要請が入る。 なんと行儀のよいものだと胸中で頷き、先の一連の攻防に対する称賛も含めてラヴィは回線を接続した。 『何とも手際の良いものだな、レイヴン──?』 ひどく落ち着きのある、悪く言えば機械じみた声だった。 「エスタブリッシュメントにしては中々やるものだよ、お前達も……」 『野烏如きがそんな言葉を吐くとは……』 随分と賢しげな言葉をのたまうその側面から、前衛機に搭乗しているのだろう指揮官格のパイロットの気質を推し量ることができた。しかし、ラヴィの意識の方向は其処ではなく、パイロットの吐いたその言葉の意味に向いていた。 「──随分と古い身の上を語ってくれるのだな」 その要点のみを端的に表現した返答を聞き、発声音からまだ若年だと推測できる指揮官は素直に関心の声を上げる。 『全く、光栄な事だ。──貴君の様な死神と、こうして戦火を交える機会に恵まれたのだからな?』 ターミナルスフィアへ参入する以前のラヴィの記録を直接知る者は、すでに少ない。五年前に発生した兵器災害では多くの人類が死滅し、それ以前に関する戦場の記憶などは多くが保存文献などを残して人々の記憶から抹消されている。ラヴィがフリーランスのレイヴンとして戦場に在ったのはそれ以前の話であり、一連の交戦から此方の身元を割り出したとしても、それ以前の記録について知る者はなかなかいないはずだった。 その言葉に対しては返答を遣さず数秒の空白のみが過ぎると、再び指揮官格の男が言葉を紡ぐ。 『──とはいえ、此方にも規律は在る。速やかに武装解除し、投降するのであれば生命の保障は利くが?』 慇懃とは程遠い口調にラヴィは軽く口許を歪めた。投降するよりもなによりも、統一政府の精鋭部隊が何故この混乱に乗じてエデンⅣへの武力行使を仕掛けてきたのか、その事について軽い興味を抱いていた。 だが、それも先方が応えなければ無意味な話であり、またそういった類の問題はノウラのような人間が担うべき仕事に過ぎない。その分水嶺を理解していたが故に、ラヴィは、 『笑わせるなよ、──灼け堕ちろ』 それはラヴィからの明らかな宣戦布告。その言葉に応じて、横列隊形を取っていた敵性目標が同時に戦闘態勢へと移行する。戦術支援AIが既に整理出力してきていた敵性部隊の詳細情報は把握済みであった。 ──統一連邦政府標準規格のアーマードコア兵器。その機体性能については、長く戦場に居座り続けているラヴィにとっては特筆すべきものはなかった。 両手に操縦把を握り込み、ラヴィはかつて死神の眼と呼ばれたその双眸に獰猛な戦意を滲ませた。 AM07 55── * 手足が自分の物だと、夢に見る意識が自分の物だと、そう確信できた頃には五日が経っていた。 目を覚ました時に傍に立っていた、気崩した黒スーツを着こんでいたその男は言った。 『アンタは運が良い。また、戦場に戻れるんだからな……』 AM08 25── 『敵性目標、沈黙──。当該戦域の全敵性動体の沈黙を確認』 搭乗機体【シックフロント】搭載の戦術支援AIが、自らプログラム生成して設定した女性の合成音声を発して周囲戦況を更新する。 閉鎖型機械化都市商業区画──特にグローバルコーテックス支社周囲の戦域は強固な防衛戦線が展開され、ガロと同じく依頼を受けたかなりの数のレイヴンが作戦に投入されていた。その為に、彼我の兵力差で侵攻にかかってきていた旧世代兵器群を相手取りながらも、一機の戦力的消耗すらなく該当戦域の第二次制圧を完了した。だが、既に侵攻勢力の第三波が接近しており、周囲へ展開して散らばっていた友軍戦力が統合司令部の召集に応じて防衛戦域へと再び集う。 統合司令部によって構築されているデータリンクを通じ、友軍部隊の展開状況を確認。作戦遂行に当たって致命的な損傷を受けた機体はまだない。しかし、第三波を切り抜けた時、どの程度の戦力が残っているかを考えると其処はガロにとっても疑問だった。 商業区画該当戦域に投入されているAC機体は十機──今回の騒乱に参戦したAC戦力の半分近くに当たる。その十機中半数はグローバルコーテックス専属のレイヴンであり、彼らは恐らく作戦遂行不能になるまで戦闘行為を続行するだろ。だが、他はどうだろうかとガロは考えた。 他のAC戦力は閉鎖型機械化都市【エデンⅣ】に駐留する独立勢力のモノであり、その大半は素性の知れない有象無象だ。何機かはエデンⅣで主催されているコーテックスアリーナでも見かける名だが、それでもアリーナ下位に過ぎない。 戦力を以下に温存して第三波を乗り切るか──それが次の戦闘の要諦になってくるだろうと見たてを立てたところで、ガロはようやく自身が最も素性の知れない類の人間だという事に気付いた。端から見れば自身も独立勢力の一レイヴンに過ぎない。 コンソールを叩いて機体状態を確認する傍ら、僅かに自嘲の笑みを浮かべた。 支社建築物群周囲の空域防衛網を飛行中の広域偵察機から転送されてくるレーダー情報をメインディスプレイに出力し、商業区画外の敵性目標の動向を戦術支援AIに収集させる。都市内部全域は無論の事、どうやら都市外部シェルター周辺でも戦闘行為が散発しているらしい。商業区画には第三波の後方に、第四波第五波の攻勢反応が展開しており、区画全域が動体反応で紅く染まっているといえる。 他の管理区画はそれ程でもないのかと思っていたが、興行区画の一点にのみ動体反応が異常な密度で集中している箇所があった。 「何だ此処は──」 その赤く染まった動体反応の渦中に一機、友軍機反応を捕捉する事ができた。どうやら敵性反応は全てその友軍機に向けて侵攻しているようであり、その異様な光景にガロは眉をひそめた。 まるで、その友軍機が興行区画の敵対勢力を全て引き寄せているように見える。 そう自分で言葉にしてみて、ようやくあり得ない話ではない可能性にガロは自分が言っている事に気付いた。 (まさか、生体CPUが其処に……) 出撃前にメインシステムへノウラから転送されてきたデータファイルの件に思考を巡らした。自身がラヴィを増援によこした先で、不明襲撃勢力と交戦していたアザミ──その傍に何故か居合わせていたのが、コーテックス帰属のランカーレイヴン・ソリテュードという男と、その存在を公式に確認されていない凍結資材の生体CPUだった。 ノウラはそれら幾つかの事案に関して安易な推察を述べはしなかったが、今回の騒乱について最悪の可能性を考えるならば、恐らく彼女でなくても、早かれ遅かれその事実関係に行き着くだろう。 コーテックスアリーナ施設からの脱出を図る際に旧世代兵器と接触したリサも、その事実関係について信憑性の在る報告をしてきていた。 ──旧世代兵器群をエデンⅣ失陥の混乱材料に、統一連邦内の不明勢力が武力行使を仕掛けてきた。 その目的が何であるか、アザミからの報告事項から鑑みれば予測するに難くない。 有機体戦術支援機構──生体CPUの簒奪── 何故この時期に、この規模を持ってなのか、それは迎撃勢力である此方側には現時点では知るべくもない。 ただ、この騒乱の鎮圧が失敗した時、どういった結末をエデンⅣが迎えるかについては想像力を働かせなくとも分かる。 第二種狭域索敵態勢で稼働中のレーダーが、外周経済区画へ侵入してきた侵攻勢力第三波の機影を捕捉する。統合司令部から速やかな排撃命令が通達され、ガロは戦術支援AIに指示してレーダー展開を第一種戦闘態勢へ移行させた。 侵攻勢力の純粋兵力は大隊規模から成る対機動兵器戦用個体のパルヴァライザー──単純な兵力比では第二波とは比べ物にならない増援である。 恐らく第三波防衛戦闘からが、この騒乱の本番といえるだろう。そうなれば、誰も無傷では済まされない。つまり、今回の統合司令部主導による防衛戦闘は最初から一定量の人的消耗を視野に入れたものであり、それをわずかにでも軽減する為にエデンⅣ全域から駐留勢力の素性を問わずAC戦力が招集された。 それであっても、この都市に押し寄せる数千以上の鋼鉄の波を押しとどめられるかどうかは今後の状況次第によるが…… 興行区画はセントラルタワーに異常集中している侵攻兵力の質量とその原因も憂慮すべき事実だが、それと比較して劣らない物量の旧世代兵器群が、コーテックス支社へ向けて商業区画を侵攻してくる。 騒乱鎮圧の失敗──其れは閉鎖型機械化都市【エデンⅣ】を実質統治してきたグローバル・コーテックス支社の失陥、そして同時にエデンⅣという人類最後の庭園そのものの陥落をも意味する。 ──それが統一政府が最後に望む今回の騒乱の結末であり、すべてが灰に葬られる事で統一政府の事実関係も消え去ることになるだろう。そうまでして彼らを果断に踏み切らせたのが何なのか、ターミナルスフィアに長らく関与してきたガロにはある程度の推測が経っていたが、それを敢えて思考の海から追い落とした。 今は眼前に迫る死の影に向きあわねばならないのだ── 『敵性部隊第三波、前衛個体を捕捉しました』 戦術支援AIの報告に沿って視点を動かし、区画設備の緊急照明群によって照らし出された待機中の航空施設から滑走路の方を見やった。粉砕した設備防壁の瓦礫を踏み砕き、青白い眼光をカメラアイに湛えた極めて人型に近い群影が通常歩行で迫る。 『統合司令部より現場各機へ、現在商業区画第五避難ラインより一般市民の避難誘導を通常歩兵軍が展開中だ。地下シェルターへの避難が完了するまで、敵第三波の侵攻を食い止めろ』 その指令にレイヴンが各自返答を遣す。つまり、いくら戦力消耗を招こうともAC戦力は決して防衛ラインを割って退避する事は許されないことを意味している。 人型機動兵器:アーマードコアに乗って戦場に臨み始めてから、ガロは既に二〇余年が経つ。その中で経てきた戦場と今回は比ぶべくもない。遍く在る戦場の一類に過ぎない。死地に臨む事に慣れるとはどうしようもない話だが、ガロには最早他の道で生きる場所が残っていないことを自らが良く悟っていた。 だからこそ、それを良しとしなかったのであれば──かの財団から放逐された際にノウラの誘いに乗らず、戦場の一線から引退できたのだ。 とどのつまり、自分は戦場という世の最前線と果てに取り置かれたどうしようもない人間なのだ── 市街戦闘に当たって各レイヴンに、明確な戦術展開は通達されていない。だが、戦場を日頃の常とする人種であるからこそ彼らは、そういった事態にあっても最大限の戦果を発揮する事を求められるのだ。そして、失敗しない限りその要求にこたえるのが烏の名を持つ兵士達の特質だった。 搭載センサー群から得られた情報によると、敵性部隊の主武装は市街戦に適した実弾兵器群である。 搭乗する機体【シックフロント】は閉鎖環境下における射撃戦、特に前衛戦闘を主眼に置いており機体構造中外部装甲に優れている。搭載兵装──右腕のリニアライフルと左腕レーザーライフル、及び背部兵装のミサイルコンテナの使用状況を確認。継続戦闘に仔細なく、ガロは一瞬の逡巡もなく管制塔の影からシックフロントの機体を飛び出させた。 →Next… ⑦ コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/crisisxcrisis/pages/2.html
メニュー トップページ シェルフェンド世界観 異界アルテミス世界観 種族別キャラクター総覧 帝国の技術 帝国の地理 魔族の魔法 ゲームエンジン ガイドライン crisisxcrisis通信 用語集 画像アップローダ 検索 リンク veirosブログ yukeブログ 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/aroe/pages/28.html
FFT Compiler IP Coreとは Lattice IPexpressからダウンロードして利用できるFFTモジュール リンク 論理合成方法 (Lattice Diamond 1.0を使う前提) 普通のIPexpressが生成するモジュールとは違い.vや.vhdlではなく.ngoファイルが出力されるので .ipxをプロジェクトにインポートしないとPlace Route Designの時点で.ngoファイルが読み込まれないので注意。 IPExpressが生成するテストベンチファイルに文法エラーが出た 588行目から"DW_UP32"の後にカンマが抜けている。正しくはこう dore_rtl = {{DW_UP32,{1'b0}},dore[`DOUT_WIDTH-DW_UP32-1 0]}; doim_rtl = {{DW_UP32,{1'b0}},doim[`DOUT_WIDTH-DW_UP32-1 0]}; dore_cpr = {{DW_UP32,{1'b0}},outdatar[osite+ii][`DOUT_WIDTH-DW_UP32-1 0]}; doim_cpr = {{DW_UP32,{1'b0}},outdatai[osite+ii][`DOUT_WIDTH-DW_UP32-1 0]}; Lattice XP2に組み込む場合のリソース使用率 Latticeサイトに載ってないポイント数の場合 9bit Low Resource 2048 point EBR 3/9 33% used MULT9ADDSUB 2/12 16% used SLICE 507/2376 21% used 9bit Low Resource 4096 point EBR 5/9 55% used MULT9ADDSUB 2/12 16% used SLICE 518/2376 21% used 9bit Low Resource 8192 point EBR 9/9 100% used MULT9ADDSUB 2/12 16% used SLICE 530/2376 22% used Bit Reverseの場合 SLICE 555/2376 23% used
https://w.atwiki.jp/storytellermirror/pages/2042.html
Part74-32-40 32 :ARMORED CORE VERDICT DAY:2023/08/24(木) 00 08 21.89 ID uiUWsg2C0.net 特に誰も頼んでませんが、ARMORED CORE VERDICT DAY投下します 「レジスタンス」が「シティ」および「企業」との壮絶な戦いを繰り広げてから、数世紀後の未来。 年月の経過が汚染を改善したのか、かつて赤く濁っていた空は青さを取り戻し、人類の生存可能範囲も地球全土に広がっていた。 しかし、それは人類同士の争いが世界規模に広がったことも意味していた。 かつてのミグラント達は合併・吸収を繰り返した末に肥大化し、「シリウス・エグゼクティブ」、「ヴェニデ」、「EGF(Ever Green Family)」の三大勢力に分かれて戦いを繰り広げていた。 そして、全世界に7つ点在する謎の巨大建造物「タワー」の所有権を巡って抗争は更に激化した。 タワーには世界が滅びる以前のロストテクノロジーが多数保存されており、それを手にした勢力が覇権を握ると考えられていたからだ。 各勢力の主戦力は相変わらず人型機動兵器「アーマード・コア(以下AC)」だったが、その運用方法にも若干の変化が生じていた。 「財団」と呼ばれる組織がタワーから入手した技術を基に、無人自律AC「UNAC」を開発したのだ。 中立を掲げる財団は全ての勢力にUNACを提供。搭乗者を必要とせず、容易な量産・大量投入が可能なそれは戦場の様子を瞬く間に変化させていった。 一方、かつてのミグラントと同じように各地を流浪し、ACなどの戦力を派遣する小規模な運び屋「ストーカー」は、今や時代遅れになりつつも生き残っていた。 そんなストーカーの一人、ファットマンがある不可解な依頼を受けたところから物語が始まる。 登場人物 ・主人公:ファットマンに雇われた傭兵。例のごとく台詞は無く人物像も不明。 ・ファットマン:主人公と契約しているベテラン男性ストーカー。いい加減な言動が目立つが、実際は経験と判断力を併せ持つ実力者。 ・マグノリア・カーチス:通称マギー。ファットマンの下でオペレーターを務める隻腕の女性。かつてはEGFの優れた傭兵だったが引退した過去を持つ。ある人物の子孫でもある ・財団:財団の代表者と思われる男性。本名は不詳。抗争を煽り、軽い口調で自分の言いたい事だけをしゃべり続けるなど人を食ったような性格。 ・K:死神部隊と呼ばれる謎の組織に所属する女性。主人公を監視しているような素振りを見せる。狙撃型ACに搭乗する。 ・J:死神部隊のリーダー。普段は冷静沈着だが異常な価値観を持つ戦闘狂でもある。シリーズ経験者にとって聞き覚えのある声の持ち主だが……? 33 :ARMORED CORE VERDICT DAY:2023/08/24(木) 00 34 10.07 ID uiUWsg2C0.net MISSION 01 DIRTY WORKER ファットマンの愛好する曲「DIRTY WORKER」が鳴り響く中、物語は幕を開ける。 今回の依頼は「睨み合いを続けるヴェニデの境界警備部隊、シリウスの偵察部隊に戦端を開かせ、両者を殲滅する」というものだった。 依頼を達成したものの、目的どころか依頼者すら不明という状況に不満を漏らすファットマン。最近はこのような依頼が増えているらしい。 マギーは「今のやり方はそういうもの」「知らないなくていいものは知らなくていい」と諭すが、 ファットマンはマギーが言葉とは裏腹に現状への苛立ちを抱えている事を見抜いていた。 一方、任務の依頼者と思しき謎の男女が、戦闘の様子を遠距離から監視していた。 女性の方は主人公の実力を「今はそれほどのものは、しかし……」と評し、成長の可能性を示唆する。 男性の方もそれに応じ、「ええ、可能性のある者はすべて排除します。それが我々の計画ですから」と応えるのだった。 MISSION 02 TRICKSTER 今回の依頼はEGF基地に侵入した諜報部隊の逃走阻止、戦闘は最小限……という話で出撃したファットマン一同。 しかし、諜報部隊は基地の武装を奪取してタワー侵攻を目論んだらしく、現地では大規模な市街地戦が展開していた。 古巣の醜態に悪態を吐きながら、報酬の上乗せを要求するマギー。EGF司令官は激怒するが彼らを雇うほか選択肢は無かった。 依頼達成後、もししらばっくれたら容赦しないと脅すマギーに対し、司令官はろくでなし共と評しながらも報酬を支払うのだった。 MISSION 03 RUSTING STEEL ヴェニデ部隊と共にEGFの輸送部隊を襲撃するミッションに参加したファットマン一同。 敵戦力は少ないにも関わらず、ヴェニデ部隊隊長は主人公のACに後方警戒を任せるなど慎重な態度を見せる。 奇襲を過剰に警戒する隊長を臆病者と評するも、「俺は不本意な死に方をしたくないだけだ」と軽くかわされてしまうマギー。 しかし、彼らの読みは甘かった。潜伏していたEGF部隊が出現し、ヴェニデ隊長のヘリを撃墜。更に5機ものUNACを投下したのだ。 絶体絶命の状況下、黒とワインレッドで彩られた謎のACが出現。UNACを狙撃ポイントに誘導するよう要求する。 (ファットマンたちは知らないが、このACの搭乗者はMISSION 01の女性こと「K」である) 強力なスナイパーキャノンによって瞬く間にUNACを葬り去っていく謎のAC。その姿を見たマギーは動揺する。 戦闘終了後、謎のACは何の言葉も残さずに去っていった。 マギーはあのACが「死神部隊」のものだと断言する。 所属も目的も正体も不明、その強さだけが知れ渡っている謎の部隊。 2年前にマギーを撃墜し、彼女の片腕を奪ったACもその死神部隊のものだったのだ。 MISSION 04 PEEKABOO 「指定する場所で戦闘しろ」というこれまで以上に情報不足な依頼に参加したファットマン一同。 現地には正体不明の二脚兵器「To-605(通称;ヘンなの)」が待ち構えていた。恐らくタワーから出土した未知の兵器であろう。 依頼主が「財団」と察したマギーは質問を投げかけるも財団側は完全に無視。一方的にヘンなのと戦うよう要求する。 (ファットマンたちは知らないが、MISSION 01の男性もこの財団の代表者である) 財団は味方としてUNAC部隊までつけたものの、ヘンなのは凄まじい火力と見た目から想像も出来ないほどの機動力で暴れまわる。 これまでの経験が全く活かせない相手との戦いに苦戦するも、何とか勝利する主人公。 主人公が勝ったことに驚きを隠せない財団。マギーは彼にそのヘンなので戦いを煽るつもりかと問うが、彼は答える気は無いようだ。 マギーが戦闘の様子を隠し撮りしていた事を指摘し、彼女の過去……傭兵ブルー・マグノリアだった頃の名声が泣くよと指摘する財団。 彼女は不貞腐れた声で会話を打ち切るほかなかった。 34 :ARMORED CORE VERDICT DAY:2023/08/24(木) 00 36 47.18 ID uiUWsg2C0.net MISSION 05 SECRET GAME ヴェニデ領内からの脱出を図るシリウス部隊救援に向かったファットマン一同。 シリウス部隊の隊長が搭乗したヘリが撃墜されたものの、搭乗者は生存しているようだ。 マギーはいっそ死んでいてくれれば楽なのにと評すが、放置するわけにもいかずヘリの護衛と敵部隊の排除にあたる主人公機。 やや遅れて現地にシリウスの増援が到着。UNAC部隊を投下する。 UNACに嫌悪感を持つファットマンは不満を漏らすも、戦力的には圧倒的優位になったので安堵するマギー。 しかし、状況は一変する。UNACがシリウス側の制御を受け付けなくなり、主人公機に対して牙を剥いたのだ。 辛くも敵部隊殲滅とヘリ護衛、そしてUNACの迎撃に成功するも、UNAC暴走の理由はシリウス側にもつかめないままだった。 ファットマンはこの事態がシリウス陣営だけに留まらないことを察し、とんでもない事になると予想するのだった…… MISSION 05-3 反ヴェニデを掲げる武装集団の殲滅を依頼され、出撃するファットマン達。 武装集団は旧世代のものと思しき巨大な、まるで大地を歩く空母のような兵器「スピリット級移動要塞」の残骸に布陣していた。 集団を率いる狙撃型ACパイロット・ロイは、背後で糸を引く何者かが執拗にAC同士の対決を演出している事に気付いたようだが、 主人公の襲撃を防ぎきる事は出来なかった。彼の運命はファットマン達の未来なのだろうか。 そして、どこかで見たような移動要塞が闊歩していた旧世代とは、どんな時代だったのだろうか。 MISSION 05-6 敵領域内で行動不能になったヘリの護衛を任されたファットマン一同。 やがて敵部隊が多数出現したが、ヘリは「トラブルが発生した」と言って離陸しようとしない。 絶体絶命の危機の筈だが、どういうわけかヘリ操縦士の発言には余裕すら感じられる。 その時、現地に黒とワインレッドのAC……死神部隊の3番機「R.I.P.3/N」が現れる。 「お前で28人目……恐れるな、死ぬ時間が来ただけだ」 まさかの事態に困惑しながらも迎撃する主人公。ヘリが発進しない以上、他に選択肢はなくR.I.P.3/Nを撃破する。 戦闘終結後、マギーはヘリ操縦士が発進を引き延ばしたのではないかと指摘するが、操縦士はあくまでトラブルだと主張。 「まさか死神を倒すとはな。その傭兵、確かにいい腕だ」 どう考えても死神部隊と内通していたとしか思えない言葉を残して、彼は去っていった。 MISSION 06 BLUE MAGNOLIA 案の定、三大勢力の所有するUNACが次々に暴走を始めていた。製造元である財団はどのような悪意を秘めているのか、ただ沈黙を保っている。 一方、ヴェニデ基地の防衛を任されたファットマンたちは、同様に雇われた傭兵エイリークのACと共に暴走UNAC部隊を迎撃する事になった。 圧倒的な数のUNAC部隊に対してたった二機のACという明らかに不足した戦力。 マギーは「何らかの決定打を用意しているのか、あるいは逃げる為の捨て駒にされているのか」と考察する。 エイリークは他人の思惑など関係無いとばかりに突っ込んでいくも、敵の猛攻に晒され機体は四肢をもぎ取られて大破・爆散する。 (余談だが、エイリークは異常な生存能力を持っているらしく、このような状況になっても無事生還した) すると、その場に死神部隊のメンバー「D」のACと彼が率いるUNACが出現した。どうやら彼らは主人公とエイリーク、どちらが生き残るかを見届けたかったようだ。 Dは主人公の事を「選別の素養がある」と評しながら、次々とUNACを破壊していった。 暴走UNAC殲滅後、死神部隊に対し「選別」とは何かと問いかけるマギー。死神部隊のリーダーはそれに答えず「あの青いACには乗らんのか」と尋ねてくる。 困惑するマギーに対し、死神部隊リーダーは2年前マギーを撃墜したのは自分だと明かす。激怒するマギー。 結局、死神部隊リーダーは自らの意図を語らず、「お前(マギー)は選ばれなかった、そのACはどうだろうな」と言い残して去っていくのだった。 35 :ARMORED CORE VERDICT DAY:2023/08/24(木) 00 39 04.67 ID uiUWsg2C0.net MISSION 06-6 ヴェニデ親衛隊エル・ヴェニデの殲滅を任されたファットマン一行。 指定地域に展開していたのは貧弱な戦力だったが、彼らに帯同するACペニーブラックが現れる。 それを撃破すると、今度はかつて共闘した経験のあるAC「キャスパリーグ」が登場。今度は敵として立ちはだかる。 「強い……あの頃とは比べ物にならんほど。化け物が!」 キャスパリーグのパイロット・カリウスは、数多くの修羅場を潜り抜けた主人公の実力に気づきつつも襲ってきた。 両者とも優れたパイロットだったが、主人公は連戦に勝利する。しかし、その凄まじい戦いぶりを見たマギーは表情を曇らせる。 「手ごわい相手だった、あなたはどこまで強くなるの?私なら勝てた?昔の私なら……」 死神部隊リーダーとの再会、そして彼の残した一言。それはマギーの心の中で燃え残っていた想いに火を点けつつあった…… MISSION 07 GRAVITY UNACには財団によってコンピューターウイルスが仕込まれていた。 財団の目的は三大勢力が混乱に陥った隙に乗じてタワーを占拠し、「ヘンなの」を始めとする強力な兵器を持ち出すことだったようだ。 しかし、それらは三大勢力と戦争して勝てる程の戦力では無い。死神部隊が財団と連携しているという噂もあるが、未だ彼らの目的は謎だらけだった。 一方、財団の指揮下にある自律兵器の迎撃を担当する事になったファットマン一同。 戦いの最中、ファットマンはマギーが過去を捨てきれていないことを指摘する。 マギーは自分がずっと諦めていた振りをしていたこと、彼女の魂がずっと戦いに惹かれていた事を告白する。 すると通信に財団が割り込んできた。彼はマギーを歓迎すると言い、世界を滅茶苦茶にしようと提案する。 一方、財団は新たな大型無人兵器「GREY LOTUS」を投下してくる。 巨大なフレンチクルーラーとでも言うべきそれは高速回転しながら小型自律兵器をバラ撒くなど未知の戦術を多用、やはり今までの戦闘経験が全く役に立たない兵器だった。 しかし、マギーは主人公に「あなたならやれる」と評し、適切なアドバイスを与えたのだった。 戦闘終了後、マギーはファットマンに別れを告げて財団の下へ去っていく。彼女の思いを知っていたファットマンはあえて止めることはしなかった。 財団はマギーの狙いが死神部隊リーダーか、あるいは自分であるかと問いながらも、彼女の決断、そして戦いへの執念を嘲笑するのだった。 MISSION 08 VENDETTA 死神部隊は腕利きの傭兵を襲撃、殺害するという意図不明の行動を繰り返していた。 今だに財団および死神部隊の目的は不明のままだったが、UNAC暴走の理由が判明したこともあり事態は終息に向かいつつあった。 ファットマンたちは財団の自律兵器を撃破する為に出撃するが、そこに待ち構えていたのは死神部隊のKだった。 まるで決闘を挑むかの如く単機で襲撃を仕掛けてきたK。数発でACを粉々にするスナイパーキャノンの猛攻に晒されながらも主人公は返り討ちに成功する。 しかし、次はDと彼のUNACが出現。彼は手段を選ばないと称し、得意の集団戦法を仕掛けてくる。 消耗した状態での対多数戦を強いられる。四方からの銃撃とDの大火力・重装甲に苦戦しながらも撃破に成功する主人公。 これで終わりかに思われたが、更に未知のACが高速で接近しつつあった。 どうやら逃がしてくれそうもないと語るファットマンに、「その通りよ」と答えるACの搭乗者。 その声はノイズ交じりながらも聞き慣れたものだった。彼らの前に現れた死神部隊新3番機「R.I.P.3/M」の搭乗者はマギーだったのだ。 もはやACは操縦できない身体だったはずだが、自在に機体を操るマギー。しかし、彼女はまだ本調子ではないとして撤退を決断する。 ファットマンはマギーに「お前はそれでいいのか」と問いかけるも、彼女は「私はそいつ(主人公)を見逃すわけにはいかない」 「そういう風にしか私は生きられないから、私が敗れたあの日からそれは決まってた」と答える。 財団、そして死神部隊の真の目的は主人公のような力の持ち主を見つけ出し、殺す事なのだという。 死神部隊リーダーは「マギーもまたその可能性を持つ一人だった」と言葉を繋ぐ。 全てを焼き尽くす定めを持つ主人公、全てを捨ててでも戦いへの執念を捨てないマギー、彼はどちらかが「本物」なのかを知りたいという。 そして生き残った「本物」を「死神」である自分が殺すと。 常軌を逸しているとしか思えない彼の発言を聞いて「イカれてるよ、お前」と吐き捨てるファットマン。 死神部隊リーダーは「それの何が悪い」と応え、まさしく「イカれてる」としか思えない哄笑を残して去っていった。 36 :ARMORED CORE VERDICT DAY:2023/08/24(木) 00 45 03.97 ID uiUWsg2C0.net MISSION 09 FORGIVE AN ANGEL 財団は三大勢力に包囲され、残された戦力は僅かな無人兵器と死神部隊の生き残りを残すだけとなっていた。 彼らにトドメを刺すべく派遣された主人公は、マギーの駆るR.I.P.3/Mと対峙する。 ファットマンはマギーに何故そこまで戦いに固執するのかと問いかけるが、彼女は答えの代わりに「昔話」を始める。 「神様は人間を救いたいと思っていた。だから、手を差し伸べた」 「でもその度に、人間の中から邪魔者が現れた」 「神様の作る秩序を、壊してしまう者。神様は困惑した。人間は救われることを望んでいないのかって」 ファットマンは「あれこれ指図されたくない、それだけだろ」と答える。マギーはそれに同意しながらも言葉を続けた。 「でも、神様は人間を救ってあげたかった。だから先に邪魔者を見つけ出して、殺す事にした」 「そいつは「黒い鳥」って呼ばれたらしいわ。何もかもを黒く焼き尽くす、死を告げる鳥……」 マギーの脳裏には鮮烈な光景が浮かんでいた。かつて、「レジスタンス」と「企業」が死闘を繰り広げ、滅び去った「シティ」という街の光景が。 ヴェンジェンス、ハングドマン、ヴェンデッタ、それらを倒した名も無きパイロットの駆るACの雄姿が。 「これは本当の話よ。ずっと昔の、私の何代も前のお婆ちゃんが見た出来事」 「最初の黒い鳥、その人が生まれるところを見たのよ」 彼女はどこか懐かしげな声で語り続ける。まるで「フラン」と呼ばれた彼女の祖先、フランシス・バッティ・カーチスの遺志が乗り移ったかのように。 ファットマンは「お前はそれ(黒い鳥)になりたいっていうのか」と問いかけるが、マギーは「本当はそうなのかもね」と遠回しに否定する。 「でも私は、もう負けたくないだけ。何にも、誰にも……始めましょう。殺すわ、あなたを」 以前よりすさまじい機動力で襲い掛かってくるマギー。しかし、歴戦の主人公はそれらを掻い潜って反撃を続ける。 やがて大ダメージを受け、搭乗者と同じく左腕を吹き飛ばされるR.I.P.3/M。ファットマンは「もういいだろマギー、これで終わりだ」と宣告するも、マギーの心は折れない。 「まだよ、私は、私はまだ戦える!ここが、この戦場が!私の魂の場所よ!!」 彼女の言葉と共に、どう見ても大破した状態のR.I.P.3/Mは「再起動」を果たす。 その不屈の姿はどこかで聞いた「青い木蓮」の歌を思わせた。来る日も来る日も(Day after day)彼女の心は戦場に焦がれていたのだ。 マギーの決意も虚しく、度重なる被弾により膝が折れ、火花と爆炎に包まれていくR.I.P.3/M。 それを見ながらファットマンは告げる。 「俺は、最初から知ってたよ。お前の中にいる恐ろしいものを知ってたんだよ、マギー」 「俺はずっと戦いの中で生きてきた。お前みたいなやつが死んでいくのを見ながらさ。だから……」 「お前を救ってやりたかった。でもそれは俺の思い上がりだった。 「好きなように生きて好きなように死ぬ、それが俺らのやり方だったな……」 その告白に対し、マギーは憑き物が取れたような晴れやかな声で答える。 「あなたは優しいのね、ファットマン」 「私は選ばれなかった、でも……さよなら、これで良かったのよ……」 勝利を得る事は出来なかったものの、決して自分には負けなかったマギー。 彼女が最後の言葉を残すと同時に、R.I.P.3/Mは爆散した。 「まぁ、こんなもんかね。終わってみたら呆気ない」 「これまでの戦いで僕らが殺した候補者は51人、彼女が52人目か」 「もう目ぼしい奴は残ってないと思うよ、君以外は……そしてこれから君も死ぬ!」 戦いを監視していたのか、財団は二人の戦いを愚弄するかのような言葉と共に、旧世代の自律兵器SCAVENGERを差し向けてきた。 「神様は間違ってる!世界を破滅させるのは人間自身だ!」 しかし、主人公はマギーとの戦いで消耗したにも関わらず、難なく自律兵器をねじ伏せる。その光景に感嘆したのか、遂に財団は自身の目的を語り始めた。 「何故僕がUNACをバラ撒いたのか、人間の可能性を知り、情報を集める為だ」 「僕は君に挑戦する。そして抹殺する。人間に可能性など存在しない。それを証明して見せる」 まるで自身が人間ではないかのように語る財団に動揺し「お前は人間じゃないのか」と問いかけるファットマンだが、 財団は「人間だよ、昔はね」と、謎めいた答えを返したのだった。 なお、戦闘終結後、回収されたR.I.P.3/Mからマギーの遺体は回収されなかった。 まるで真っ黒に焼け焦げたその機体こそが彼女の「魂の場所」だったかのように。 37 :ゲーム好き名無しさん:2023/08/24(木) 00 50 31.05 ID uiUWsg2C0.net MISSION 10 MECHANIZED MEMORIES 「これは君という存在への挑戦だ。私は、私の正しさを証明して見せる」 財団から届いた最後の依頼は、まさしく挑戦状だった。 財団は死神部隊リーダーこと「J」に対し、旧世代の機動兵器を提供していた。 UNACの戦闘経験を統合したオペレーション、数々の戦場を渡り歩いたJの戦闘経験。 そして、ステルス戦闘機のようなその機体、それが負ける事はあり得ないと評する財団。 凄まじい推進力を持つそれは、主人公の待つ砂漠へとまっすぐ飛来し、巡航用の外装をパージする。 中から現れたのは、ACと似た……そしてどこか懐かしさを覚える形状を持つ、黒く巨大な人型機動兵器だった。 Jは「三大勢力の支配する秩序など、私の生きる世界では無い。戦いの中にしか、私の存在する場はない。好きに生き、理不尽に死ぬ」と評し、その為に「人間を辞め、肉体を捨てた」のだという。 「戦いはいい、私にはそれが必要なんだ」 その言葉と共に、最後の戦いが始まった。 Jの駆る機体、「N-WGIX/v」は空中を自在に飛行するだけに留まらず、謎の粒子によるバリア「プライマル・アーマー」を展開。 ACのあらゆる攻撃を無効化し、前後左右への高速移動「クイックブースト」を併用して一方的に攻撃を仕掛けてくる。 かつて「アーマード・コア・ネクスト」と呼ばれていたのかもしれないそれは、現代のACを遥かに上回る性能を誇っていた。 しかし、鉄壁の防御にも穴があった。謎の粒子を圧縮炸裂させて全方位に爆発的ダメージを与える武装「アサルト・アーマー」を使用した直後は、 バリアが一時的に使えなくなるという弱点を抱えていたのだ。それを看破しバリア解除の隙を突いて集中攻撃を加える主人公。 やがて、N-WGIX/vは爆炎を上げながら地上へ着陸した。 「バカな……こんな事が……!?」と驚愕する財団。しかし、彼はおどけた口調で「……とでも言うと思ったかい?この程度、想定の範囲内だよ!」と嘲笑する。 N-WGIX/vは「再起動」を果たし、機体各所から粒子を放射。装甲を赤熱させる。それは周囲の瓦礫を溶解させるほどの高熱を放っていた。 「ジェネレーター出力再上昇。オペレーション、パターン2」 「かつて、世界を破滅させた力。そのひとつが、この機体。黒い鳥、人間の中の可能性、そんなものはただの妄言に過ぎない。人は、人によって滅びる。それが必然だ」 持論を語り続ける財団だが、Jはそんなものに興味は無いとばかりに切り捨てる。 「もういい。言葉など既に意味を為さない。見せてみろ、貴様の力」 J……かつて「ジョシュア・オブライエン」と呼ばれていたのかもしれないその男は、かつて「ホワイト・グリント」と呼ばれたのかもしれない焼け焦げた機体を駆り、主人公に最後の戦いを挑む。 バリアを失ったN-WGIX/vは先ほどまでの積極的な攻撃を止め、中・長距離を保っての引き撃ちに徹し始めた。 しかし機体から放出され続ける粒子は戦闘エリア全域を汚染し、主人公のACの装甲をも蝕んでゆく。 Jはもはや勝つ為の手段を選んでいない。自機の圧倒的な装甲と機動力、そして毒性の粒子を活かし、持久戦で主人公を仕留めるつもりのようだ。 必死に機体を駆ってJに追いすがり、僅かな隙を狙って火器を撃ち込んでいく主人公。 撃ち合いの末、熾烈な消耗戦を征したのは主人公の方だった。N-WGIX/vはライフルを保持できなくなり、青白い爆炎を上げ始める。 「これで満足か?ブッ壊れてるのは貴様らだ」 世界がイカれていると称する財団に対し、ファットマンは宣告する。しかし、財団は負けを認めようとはしなかった。 「認めない、人の可能性など僕は認めない。僕の人生を、すべてを破壊したあの汚れた世界を忘れる事など無い」 「既にいくつもの兵器が動き出している。その力の源はタワーだ。たとえ僕がいなくても止まることなどない。タワーを巡る戦いはもう始まった。それは全ての破滅まで続く」 彼の言う通り、三大勢力はタワーを巡る一大抗争を始めつつあった。今までにない規模の大戦争。世界が再び破滅するまでそれは終わらないのかもしれない 「……だがもし、君が「例外」だというのなら生き延びるがいい。君にはその権利と義務がある」 財団は最後に、「イレギュラー」たる主人公に対してその一言を残した。 粒子をバラ撒きながら大爆発するN-WGIX/vを尻目に、物言わぬ主人公に代わってファットマンが答える。 「ああ、生き延びて見せるさ。俺達が戦い続ける限り」 こうして財団は消滅し、代わりに三大勢力による全世界を舞台とした大戦争「ヴァーティクト・ウォー」が幕を開けた。 それは今、この瞬間も続いている。 38 :ARMORED CORE VERDICT DAY:2023/08/24(木) 01 53 20.05 ID uiUWsg2C0.net ACVDサイドストーリー Forgotten Day ファットマンたちの暮らす時代から数世紀前、かつてレジスタンスと呼ばれた組織が「ゾディアック」を滅ぼした後。 レジスタンスはMoH幹部でありロザリィの姉の一人・ゴネリルと会談する。 欲しくなったものはどんな手でも使って手に入れるという彼女は、汚染地帯深部にある「タワー」と呼ばれる建造物探索を依頼してきた。 断れば何度でも大部隊を率いてレジスタンスを襲撃するという。 「黒い鳥」の力があるとはいえ寡兵に過ぎないフランたちは依頼を受けざるを得なかった。 レジスタンスは、かつてタワーを目撃したという男を連れて旅に出る。廃人同然のその男は自分の名をアイザックと告げた。 旅の途中、レジスタンスは汚染地帯への潜入を専門とするミグラント「ストークス」を救い、彼らの協力を得て汚染地帯へ侵入する。 汚染地帯内の施設から砲撃を受けたレジスタンスたち。 施設に踏み込んだ黒い鳥が見たものは、なんと「主任」と同じ機体、同じエンブレムをつけたACハングドマンだった。 そして通信からは「キャロル・ドーリー」の声が響いてくる。 「あなたたちは失敗作でした。あの塔に行く気なら止めておきなさい、きっと後悔しますから」 「自分が何をしようとしているのか、あなたたちは気づいていないのです。気づく術がないのだから、仕方ありませんが」 主任と黒い鳥の戦いの最中、それまで死人のようだったアイザックがキャロルの声に反応する。 「誰なんだ、お前たちは……僕は知る必要がある。お前たちが……僕たちが、誰なのか……」 結局、決着のつかないまま主任は去っていく。フランは久しぶりに再会した彼らの正体を薄々察しつつあった。 「あの二人は、おそらく人間ではない何か……ずっと私たちを見ている何か、です」 一方、比較的汚染の薄い街の跡に辿り着いたレジスタンスは、今度は人間の部隊と交戦する。 数は少ないが高い戦闘能力を持つ集団……彼らの機体には「ヴェニデ」のエンブレムが貼られていた。 やがてヴェニデの指導者であるという男、セサル・ヴェニデが姿を現す。海を越えてやってきたという彼らもまた、タワーを狙っていた。 力を信仰し、強者を愛するというセサルの姿に、かつてのシティ代表の姿を思い出すフラン。彼らとの対立は避けられなかった。 39 :ARMORED CORE VERDICT DAY:2023/08/24(木) 01 54 44.70 ID uiUWsg2C0.net ついにタワー目前に達したレジスタンスはヴェニデ部隊と対決する。 黒い鳥と互角の戦いを繰り広げるセサルのAC、しかしそこに無数のハングドマンが出現する。 彼らを「浅はかな人間」と評して排除しようとするキャロル。 一方、セサルは主任たちに対し、「お前が我々の”協力者”の正体か?」と問いかける。 セサルの父がヴェニデという組織を立ち上げた際、それに手を貸した存在がいたという。 それは、シティ代表が主任=企業の手を借りて独裁者と化していった構図と酷似していた。 「ヴェニデとは、貴方たちにもあり得るはずであった、もうひとつの未来。実験は続いているのです。それが我々の使命なのですから」 「知りたがり過ぎるんだよ、余計なことをさ。セサル・ヴェニデ、それからさ……今度こそ消えてもらおうか、黒い鳥。ギャハハハ!」 絶望的な状況下、黒い鳥とセサルは咄嗟に共闘し、無数のハングドマンを全滅させる。動揺するキャロル。 「何故、貴方たちのようなものが現れるのです?私たちは守るために生み出されたのです」 「私たちの使命を守り、この世界を守るために……人間を守るために」 しかし、アイザックはキャロルの言葉を否定する。 「人間にそんな価値など、ありはしない。見てみろ、この世界を。この破滅を人間が生み出したのなら、人間は欠陥だらけの生き物だ」 「その人間が生み出したお前も、お前の出した結論も、欠陥だらけに他ならない」 その言葉にキャロルもまた反応する。 「……あなたは何を望むのです? アイザック」 「人間の欠陥を証明し、そして完全な破滅を!僕を連れていってくれ!お前の誤りを証明してみせよう!」 アイザックの言葉を面白いと評し、「俺は人間の可能性が見てみたいのさ、それが破滅でもなんでもさ」と語る主任。 同時に、タワーのふもとから超巨大兵器が姿を現した。 「2人の鳥よ。貴方たちの力は、大きすぎる。」「秩序を破壊する力……やはり、プログラムには不要です」 黒い鳥とセサルは超巨大兵器を撃破するが、その残骸から大量の汚染物質がまき散らされタワーの付近には近づけなくなった。 彼らの探索の旅は終わり、そしてアイザックはいつの間にか姿を消していた。 戦いの後、セサル・ヴェニデは、あえて主任たちの計画に乗って人類の復興を果たすことを決意し、去っていった。 一方、フランとロザリィはヴェニデと主任たちに対抗すべく、独自勢力の確立を目指して活動することを決意する。 そしてフランは、姿を消したアイザックこそが、いつか真の脅威になることを察していた。 二人は別々の道を模索し、お互いを補う存在になることを目的に袂を分かつ。 ロザリィはMoHへ帰還してゴネリルを排除、その組織を後の「シリウス・エグゼクティブ」へと変革していく。 フランはストークスと共に新天地を目指し、そこで新たな組織「EGF」を立ち上げたのち、歴史の中に埋もれていった。 ……そして、かつて彼女に雇用されていたという傭兵、黒い鳥のその後もまた一切の記録は残されていない。 (完) 40 :ARMORED CORE VERDICT DAY:2023/08/24(木) 02 31 06.26 ID uiUWsg2C0.net ※補足 ・MISSION 10の「かもしれない」って何だよ? N-WGIX/vの外見は明らかにアーマード・コア フォーアンサーのネクストAC「ホワイト・グリント」であり、 パイロットのJも担当声優がアーマード・コア4のジョシュアと同じなのだが、4シリーズとVシリーズは公式に独立した世界観と発表されている。 なので、もしかしたら裏設定上では同一の機体、同一人物である可能性はあるが、断言も出来ないので、こうした表現になった。 人によっては「似てるだけで全くの無関係」と主張したり、逆に「絶対に同一世界観」と主張する者もいるが、断言はできないとしか言いようがない。 ・結局、死神部隊って何なの?財団って何なの? 前作に登場した「ゾディアック」はデザインドと呼ばれる強化人間だったが、期待されていたほどの成果は上がらなかったらしい。 一方、カルティベイターと呼ばれる過去の英雄(優秀なパイロット)のクローン人間も作られたが、こちらもうまく行かなかった。 そのため両者の手法を組み合わせ、優秀なクローンの意識を電子化し、自我を完全にプログラム化した存在「ファンタズマビーイング」が作り出された。 おそらくこれが「死神部隊」の正体であり、R.I.P.3/Mからマギーの遺体が見つからなかった理由と思われる。 もしJの正体がジョシュアのクローンだったとしても、その自我は戦闘狂というほどまでに改造されており、もはや原形は留めていないと思われる。 財団代表者の正体は Forgotten Day のアイザックと思われる。 何らかの事情(ヴェニデ関係なのか、それとも汚染地帯に飲まれて滅んだ彼の故郷関連なのかは不明)で人類を憎んでいるらしい彼は、 人類の欠陥を証明して滅ぼすためファンタズマビーイング化し、主任たちと共に活動を続けているのだろう。 (なお主任もまだ現役で活動しており、時折強化型のEXUSIAで暴れまわっている模様)
https://w.atwiki.jp/eqtunarejp/pages/75.html
Tier3 Zone/Named Mob/Core 対応表 Steam Core Martialism Necrotic Purification Dedicant Druadic Dream Consort Intensity Class WARROG SHDNEC MNKPAL CLESHM RNGDRU BRDENC BSTMAG BERWIZZone Name Mob Gyrospire Zeka Engineer LXII ◯ ◯ Shocktroop Commander XIX ◯ ◯ Commander Gearwell ◯ ◯ Zeka Repairer III ◯ ◯ S.H.I.P. Workshop Head Scientist Spodwork ◯ ◯ Head Scientist Wripple ◯ ◯ Former Head Scientist Bozle ◯ ◯ Head Scientist Fizzil ◯ ◯ Malfunctioning Steamwork Borri ◯ ◯ Head Scientist Gripwir ◯ ◯ Head Administrator Grigano ◯ ◯ Head Scientist Belnot ◯ ◯ The Steam Factory Head Mechanic Binsprocket ◯ ◯ Station Attendant Sparkbolt ◯ ◯ Quartermaster Thickgear ◯ ◯ Foundry Master Slagspring ◯ ◯ Steamwork Prototype Mark XIX ◯ ◯ Foreman Bronzecoat ◯ ◯ Meldrath s Majestic Mansion Geartop ◯ ◯ Steamwork Trainer ◯ ◯ The Hangman ◯ ◯ Wizbobble ◯ ◯ Larth the Toad ◯ ◯ Glorb ◯ ◯
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/1878.html
ARMORED CORE FORMULA FRONT当Wiki連絡用掲示板内「差し替え・追加スレッド」-805~806 805 :ARMORED CORE FORMULA FRONT:2014/03/10(月) 22 42 27 ID ??? ARMORED CORE FORMULA FRONT 2004年発売、アーマード・コアシリーズの異色作品。 最初から全てのパーツを持っていて、好きに機体を作りあげて行動指針を決める その後アーマード・コア=AC同士一対一で戦わせる、基本オート操作可能、マニュアル操作も可能 一つ上のランキングの機体と戦い、勝てばランクを交代、たまにイベントで下のランクに挑戦される 情報はニュースとメールのやり取り、正直ストーリーはオマケ AIを搭載した人が乗らないアーマード・コア同士のバトルグランプリが新時代の興業として人々を熱狂させた。 そこに新たに登場した主人公チーム、B級ライセンスを得てボトムリーグへ。 主人公はそのチームのアーキテクト(AIとか作る人)。 ニュース:観客動員数100億人を突破。フォーミュラF(試合の名前)は閉塞したこの世界に熱狂を与える。 他にもニュースは毎回、どこのチームがどこのチームに勝ったとか、その戦闘シーンを見る事が出来る。 ニュース:1位アルティが、24連続首位防衛に成功。帝王メイルド・ブレンは当分負けるつもりが無いとコメント。 ニュース:アルティ、2位のネオニアに圧勝。 ボトムリーグを勝ち抜きA級ライセンスを取得し、レギュラーリーグに出る。 チームBTワイバーンのライナスが、唯一の同期(お互い新人同士)で、丁寧なあいさつのメールを送ってくる。 倒したあと、何試合後かにライナスが挑戦してくる。倒すと完敗だった、あなたを追い続けるとメール。 その後もライナスから、チーム内での不和や、ファンからの応援で立ち直ったなどのメールが届く。 ニュース:アルティが連続首位記録を更新。「勝者が決まった試合は観客にしてみれば退屈、しかし最も退屈なのは私だ」。 ニュース:アルティ人気投票で圧倒的1位。 勝ち進んでいると、少し上のランキングのチームオーガのアーキテクト、ディアボリクからメールが来る。 ディアボリク:調子に乗っているお前ら新人どもを一人ずつ徹底的に潰してやる。 ライナス:オーガに負けたが、倒れたACに追い打ちを掛けられた事を許せない。 ディアボリク:ライナスは悔しがっていた、プライドだけは一人前か、ライナス以上に無様な負け方をさせてやる。 ニュース:倒したACに攻撃。オーガ恒例の新人いびりは、フォーミュラFの風紀を乱すと批判されている。 ニュース:3位F&Fが2位ネオニアとの対戦で勝利、しかし直後に挑戦を受理される。「勝ち続ける事が勝者の条件」。 ニュース:F&F、敗北しまたも後退。チームスタッフたちは何も言わずに退場。 オーガを倒すと、偶然勝った程度で調子に乗るなと別の試合会場で連戦になり倒す。 ライナスはその後、主人公との再戦から新たなAIの形を思いつく。それを用いてオーガを撃ち倒す。 しかしオーガの動きの悪さに憎さを通り越して、逆に心配になったとメール。 ニュース:BTワイバーンが多彩な機動でオーガを圧倒、リベンジを達成。 806 :ARMORED CORE FORMULA FRONT:2014/03/10(月) 22 43 04 ID ??? ディアボリクからメール、新たなACを組んだ、今度は叩き潰してやる。 ニュース:オーガ、ACを一新。今までとは全く異なった先方でワイバーンに快勝。 ライナスがオーガに挑戦されて敗北。その時のオーガの動きや機体が、ライナスが新たに作ろうと考えていたACだった。 ライナスは念のため、情報が盗まれてないか調べる。そしてオーガと主人公チームが戦う。 ニュース:オーガは2度にわたって負けた相手だが、今までと全く違うACで以前の試合は参考にならない。 そして主人公が、オーガを3度目の撃破。 ニュース:フォーミュラFで使用されるマスターデータが盗難される事件があった、現在調査中。 ニュース:オーガのチームスタッフ3名を、データ盗難の容疑で逮捕。ディアボリク選手は体調不良で聴取を拒否。 ニュース:オーガチームのデータ盗難、組織的犯行の証拠は無い。しかし組織としての責任から無期限活動停止。 ニュース:アルティ50連勝。「一度も心躍る試合が無かった、さすがに飽きてきた。」と帝王が引退かと騒然となる。 ライナスからようやく自分の思い描いていたACが出来上がった、オーガが盗んだAIとは比べ物にならないとメール。 すぐに追いつくと書いてあり、その通り追いつかれて挑戦され倒す。 ライナス:まだまだ自分は浅はかだった、またあなたに挑戦したい。あなたがもっと遠くに行ってくれる事を望む。 ニュース:BTワイバーン、ARツアーチーム、主人公。新たに勝ちあがってきたこの3チームに期待。 ニュース:オーガ、全てに責任を負わすのはあまりにも重いと活動停止解除。31位からチーム再活動。 ニュース:帝王ブレン、インタビューで注目しているチームがあることを示唆。主人公チームか!? ニュース:主人公とDSBMの試合が超満員。主人公の試合を見たいなら、当日券など当てにしてはいけない。 ニュース:主人公、ついにランキング3位に浮上。ネオニアのレイヴィング「負けるはずが無い」と絶対の自信。 ついに三位になり、二位のチームネオニアのレイヴィングとの対戦となる。 レイヴィング:下位などどうでもよいが、見過ごせない事態になった。貴様らなど取るに足らない存在だと教えてやる。 レイヴィングを倒し主人公がランキング2位になり、最強のチームアルティのメイルド・ブレンに挑戦する。 メイルド・ブレン:レイヴィングを倒したようだな。新たな挑戦者よ、君を歓迎しよう。 ライナス:ブレンは最強のアーキテクトだが、あなたなら倒せる。 ニュース:世界中から観客が殺到。試合前でありながら渋滞、当日の交通量に対処できるか問題に。 レギュラーリーグを勝ち抜き優勝する、すると別地域のリーグにいるACと戦えるエキシビジョンマッチになる。 ライナス:ランキングなんて僕にはどうでもいい。あなたに勝つ事が僕の目的だと、きっと超えてみせる。 ディアボリク:帝王が破れた今、客が求めるのは新たな王者の敗北、俺がその夢をかなえてやる。 レイヴィング:アルティが破れるとは。全ての者がブレンが勝つと信じていた。これで俺の標的はブレンと貴様の二人だ。 メイルド・ブレン:私が破れるとはな。「無限の可能性」信じた甲斐があった。君なら世界に新しい可能性を示してくれる。 ニュース:ついにアルティが王座を明け渡した。噂された引退について「これから面白くなる」と否定。 ニュース:前王者ブレンが、あらゆるリーグから招待したエキシビジョンマッチを開催。主人公にとって試練となるだろう。 一応、エンディングが流れるので終わり。
https://w.atwiki.jp/achdh/pages/153.html
④*⑤*⑥ つまり、今はそういう事態という事だ。 グローバルコーテックス支社内部には、その規定が発動した際に統合司令部として機能する施設が設けられており、ターミナルスフィアも招集令を受けて現在その指令機能を移転中なのだろう。 レイヴンであると同時に事務所所長であるノウラは、その陣頭指揮を取る為に出向しなければならないため、今回レイヴンとしての仕事をこなすのは若干の無理がある。 そうでなくともノウラの本業はレイヴンではないため、そこまで彼女に望むのは酷だとファイーナは軽く考えた。 「そこまで期待はしないさ。それよりノウラ、此れを観ろ──」 ファイーナは戦術支援AIに指示して予め編集保存していた先ほどの映像ファイルを、ノウラの下へ転送した。メインディスプレイに出力した通信映像に映るノウラは、左頬を人差し指でかく真似をしてみせる。 『ふむ、やはりナインボールか──』 「その口振りでは、其方からも目視できたようだな」 『まあな。一瞬だったが、コレで確信が持てたよ』 商業区画に拠点がある事務所から空路で移動中だったのなら、都市天蓋部が崩落するという未曽有の事態を目撃していたとしても何ら不自然はない。となれば、そこから侵入してきた旧世代兵器群と“赤い亡霊”について見えていたのも道理として成り立つはずだ。 「ノウラ、お前はどう見る──?」 『つい先ほど、【バラハ03】──リサからも提供報告があったんだが。状況判断により要点のみを言うが、──旧世代兵器群を含めて、統一政府の差し金である可能性が濃厚だ』 「なるほど、な──」 『さほど驚きはないようだな。既に織り込み済みか』 そう言ってノウラは満足げな表情を浮かべながら、口許に咥えていた紙巻煙草を挟んだ指をこちらに向けて見せる。驚きがないのはファイーナにとっては当然だった。──つい十分ほど前に、勢力源を異にすると思われる統一連邦の強襲部隊から実力行使を受けたのだから、当然可能性のひとつとしてあの“赤い亡霊”との関連性は認めていたのだ。 ノウラにその前後詳細について伝えているつもりはなかったが、彼女の言うように別の情報源──恐らくリサも近い状況下に遭遇したのかもしれん──から同様の可能性に行き着いたのだろう。 となると、残る疑問は── 「究明についてはノウラ、お前に任せる。もうすぐ当該戦域に到着する、後はよろしく頼む」 『了解した。──ファイーナ。この戦場、お前にとっては懐かしいかもしれんな? 十分に気をつけろよ』 「心配するな、ノウラ──カット」 その意思を聞いた戦術支援AIが回線接続を解除した。残った疑問についてもそのデータをファイル化して転送した後、コクピット内に再び静寂が戻り、ファイーナは意識を切り替えてセンサー群が出力する情報とレーダー画面を注視した。 ファイーナが指定を受けた防衛戦域──商業区画には既に集合した味方部隊の反応が多数あり、それに対して圧倒的な質量差で迫る敵性動体反応がレーダー上に蔓延していた。 戦況は言わずもがな──進入源不明の敵対勢力の侵攻は止まず、危機的状況に在り。 彼我の差といっていいその状態を覆すには、敵対勢力にとって不測の事態を演出しなければならない。 ファイーナは機体制御を巡航機動から強襲機動へ移行し、機体速度を倍加的に跳ね上げた。 搭載兵装の状態をメインディスプレイに出力し、試験型兵装が搭載される前の標準兵装に戻っている事を確認する。 幹線道路上直線距離にして約200メートル──恐らく狭域索敵態勢下にあるレーダーの一歩外側にある。ファイーナは機体搭載のオーバードブースト・システムの起動準備を完結し、操縦把付随の起動スイッチを押しこんだ。敵対勢力にとっての不測の事態──それはレーダー上で動体反応を捕捉してから、此方の機動展開を予測される前に強襲攻撃で先制を取ること。ファイーナは迷わずそれを実行し、後方ノズルから吐き出された高出力の青白い噴射炎が軽量二脚型であるゼクトラの機体を圧倒的な推力をもって押し出す。 有視界内前方に対AC用パルヴァライザーの攻撃を受け、一方的に後退に追いやられている友軍AC機の機影を捕捉。右腕搭載の射突型物理ブレードの射出準備を済ませ、強襲機動態勢を移動したままそこへ突進した。 追撃を続行していた一機のパルヴァライザーが友軍ACへ決定打を負わせる刹那、そこへ最大強襲推力を持って介入──右操縦把のトリガーを引き絞った。 強装炸薬の炸裂に合わせた強襲推力と共に射出された長大な杭は、不気味な光を宿したパルヴァライザーの頭部を側面から過たず撃ち貫く。強装炸薬の再換装結実を戦術支援AIが伝え、メインブースタを最大出力で吹かすと共に再度トリガーを引いた。過剰威力による徹底的な破壊を受けたパルヴァライザーが被弾の衝撃によって吹き飛び、路面を滑走しながら高層ビルに突っ込んでいった。そこを中心に大きな爆発が生まれる。 各部ブースタを吹かして機体を転回させ、複数車線の広い幹線道路上に停止した。前方有視界内に対AC戦闘に特化した多数の戦闘用パルヴァライザーが、突然の奇襲攻撃にその侵攻を止める。 ふむ、ひと先ずは成功といったところか── ゼクトラの背後に辛うじて後退した数機のAC機体のうちの一機が通信をよこしてきた。 『増援かっ──?』 「お前達はこのまま後退し、戦線を確立しろ。此処は私が引き受ける──」 ゼクトラの機体に強襲姿勢を取らせ、戦術支援AIが前方に捕捉したパルヴァライザー群を瞬く間に解析、詳細情報をアップロードする。 純粋兵力にして一個小隊規模──正面からやり合うには少しばかり頭数が多いが、やってやれない事はない。最初の強襲攻撃が成功した時点で、旧世代兵器群の機体性能水準は既に推し量れている。 『単機でやる気か。無茶な真似はよせ、俺達でさえ──』 ファイーナはその明らかに冷静さを欠いた狼狽の声を遮った。 「一人でいい。さっさと退がるんだ、二度は言わん」 その有無を言わさない鋭い言動に歴戦のレイヴン達ですらも口を閉じた。ファイーナの傍から見れば、常軌を逸してるとしか思えないその言動に返す言葉がなかったのかもしれない。あるいは他の可能性か。 その心中はどうあれ、ゼクトラの背後にいた計四機の味方機体は、ファイーナの指示に従って速やかに後退を始めた。 それでいい。この侵略劇は未だ序章の段階だろう。此処で下手に戦力を消耗する必要性はどこにもない。ファイーナが任された商業区画の作戦領域は統合司令部が置かれている広域防衛区域の目前に在り、今回の防衛戦闘の要となる場所である。一歩でも戦術判断を間違えて戦力を消耗しようものなら、それは速やかなエデンⅣの失陥をすら意味しかねない。 ──ただ、ファイーナにとってこの戦闘は遍く在る戦場のひとつに過ぎないものだったが 味方機が後退を完了した事に焦燥を感じでもしたのか、前方に停止していたパルヴァライザー達が進行陣形を取って再び進軍を始める。 「さあ、戦ろうじゃないか。ガラクタ共が──」 ノウラの言った通りだった。この戦場は懐かしいにおいがする。 五年前、未曽有の兵器災害が全世界を襲い、数千万とも言われる人類がその命を落とした。 その頃、自身は企業連合軍主戦力を安全圏にまで逃す為に戦い、そして部隊と共に── だが、あの頃に比べれば何と言うことはない。 ぬるい戦場だ。そう思いつつも、ファイーナの意識は激しく猛っていた。 戦場でしか生きる事の出来ない自身に、戦って生きる事の喜びを感じさせてほしかった。 そうして生きてきた生涯を実感させてほしいのだ。 「くれぐれも、簡単に終わってくれるなよ」 口許を大きく歪めて呟き、ファイーナはコンソールを叩いて火器管制システムを転換、背部兵装の垂直爆雷投下型ミサイルのコンテナを稼働展開する。 侵攻部隊がブースタを吹かして一気に攻勢を仕掛けてきたのを見計らい、ファイーナは背部コンテナから垂直ミサイルを連続射出した。同時にフットペダルを踏み込み、最大推力でメインブースタを踏み込む。頭上数十メートルでミサイルの弾頭が炸裂し、その中に格納されていた計数千発の小型爆弾が空域一杯に拡散する。 頭上に展開した無数の熱源に一瞬侵攻部隊の統率が乱れ、ファイーナはその隙を見逃さなかった。 数千発に及ぶ小型子弾の全ての落下軌道を戦術支援AIが視覚情報としてメインディスプレイに出力し、その下でようやく迎撃態勢を取ったパルヴァライザーに対して、短機関砲による集中掃射を浴びせかける。 敵性目標の機動力のみを削ぐ事に専念して脚部関節に損傷を与え、すぐさまその後背に迫っていた別機を捕捉対象に切り替える。センサー群が後方に置き去りにしたパルヴァライザーの接近を感知したが、ファイーナはそれを敢えて無視した。 補足目標に対して先と同様の精密射撃を喰らわせた直後、関節部を破損しながらも至近に迫ったパルヴァライザーがゼクトラのコア背部にレーザーライフルの砲口を突き付けた。 零距離からの光線がコアを貫くかに見えた刹那、頭上から高速落下してきた拡散子弾の一発がパルヴァライザーの頭部に直撃して爆発を起こした。続けざまにさらに数発の子弾が接触爆発してパルヴァライザーの機体を破壊する。 予測通りの現実に満足しつつ、さらに強襲機動を継続した。子弾一発一発の威力は分厚い複合繊維装甲を持つ兵器群などにとってはとるに足らないものだが、それを立て続けに喰らい続ければ話は別になってくる。加えて幹線道路の上空にはそれが数千発、漆黒の豪雨となって地上に迫って来ていた。 空中機動を行おうにも上空が使えず、後退しようにも広範囲に渡って落下する子弾の群は周囲百メートル以上に及んでいる。パルヴァライザーを主力とする侵攻部隊に残されている脱出経路は既になきに等しかった。 ファイーナは五感神経を極限にまで研ぎ澄まし、赤々しい爆炎の海に呑み込まれゆく幹線道路の中を搭乗機のゼクトラを駆って駆け抜けていく。 ──数千発にも及ぶ高密度の子弾による落下爆発の嵐が収まるまで、単純時間にして僅か十数秒だった。メインディスプレイに表記されたガイドラインに従って落下軌道を全て避けたゼクトラは、ほぼ無傷で戦域を切り抜けた。その背後には関節部を破壊されて機動力を失った所に子弾群による連続爆発を受けたパルヴァライザーの群体が、ぶすぶすと黒煙を上げながら焼け焦げた路上に伏していた。 その中でも辛うじて機体制御を継続する複数機のパルヴァライザーを捕捉し、通常歩行で近づくとファイーナは至近距離から短機関砲の銃撃を頭部に撃ち込んでいった。 「敵性動体、すべて消失。レーダー制御を広域索敵態勢へ移行します」 敵性動体反応がレーダー上から全て消えた事を戦術支援AIが報告し、コンソールを叩いて機体状態を細かくチェックするが目立った損傷は一切なく、搭載兵装群の稼働率にも問題はない。 此れで味方部隊による防衛戦線確立まで、いくらかの時間は稼げただろう。しかし、まだまだ十分ではない。統合司令部による現場指揮が機能し、駐留兵力が一個の軍事力として防衛戦闘を展開し始めるまで、まだ時間はかかるはずだった。 侵入源は未だ不明だが、旧世代兵器群はまだまだ侵攻をやめないだろう。 ファイーナのその見立て通り、間もなくして戦術支援AIが、 「広域索敵レーダーに動体反応、多数。此方へ向かってきます」 先ほどの侵攻部隊はエデンⅣ側の戦力規模を計る為の、威力偵察部隊と言ったところか。これは単機でも殲滅することができたが、広域索敵レーダーに反応のある敵対勢力の主力部隊は広範囲にわたって進軍を始めている。 後方へ後退した味方AC機体も、その対応を迫られることになるだろう。 やがてゼクトラの立つ幹線道路の防衛戦線前方に無数の機影が現れ、カメラアイがそれらを捕捉して有視界に拡視界で映し出す。 「世の果てにはまだまだ遠いぞ、貴様ら──」 かつて数年前に押し寄せた数万から成る旧世代兵器の軍勢──特に思い出したくもない過去に訪れた世の果ての記憶がファイーナの意識を燃え上がらせ、そして凄惨な表情を作らせる。 ファイーナは、ゼクトラの左腕部に携えた短機関砲の砲口を跳ね上げた。 AM07 55── * AM07 53── 致命的な戦火は、生き残ろうとするモノの真価を試し、その意図を引き摺りだす。 この都市を知らぬ者が眼下の惨禍を目の当たりにしても、此処が人類最後の安楽地であるとは到底気付かないだろう。 「了解した──ファイーナ。此の戦場、お前にとっては懐かしいかもしれんな? 充分に気をつけろよ」 それを此方からの最後の通信内容とし、ターミナルスフィア非公式戦力であり現在、事務所への依頼通達を受けて該当戦域へ出撃中のレイヴン・アザミとの回線を解除した。 複数機のガンシップの編隊によって護衛されながらコーテックスビルへ向かう大型輸送ヘリの中で、ノウラは膝の上に置いたラップトップパソコンのディスプレイを注視する。着込んだ複合繊維質のコートの懐からソフトパックを取り出して紙巻煙草を咥えると、対面シートに腰を下していたメイヴィスが擦過させたオイルライターを遣し、それにあやかって先端に火を点した。 「ナインボールとはな──メイヴィス、お前はどう見る?」 濃紺色のダブルボタンスーツに身を包み込み、同じくラップトップパソコンを用いて統合司令部への指揮系統参入に伴う書類作成に当たるメイヴィスに尋ねた。細長のタイトな眼鏡の奥に宿る灰色がかったブルーの瞳がノウラの方へ向き、 「前後推移から考えるに、ナインボール・コピーでしょうね」 「その確度と論拠は?」 その問いを受けてメイヴィスはキーボードに走らせていた指の動きを止める。 「82,85%。──私達が創ったのです。違いはありません」 意地の悪いことを訊かないでください、というような形容しがたい笑みをメイヴィスは浮かべてみせた。つい先ほど、当該戦域へ急行中のアザミが転送してきた映像データの解析情報をディスプレイに羅列表記していく。 【エデンⅣ】の天蓋部が大きく崩落した貫通痕より侵入してきた“ナインボール”──かつて紅い亡霊と呼ばれていたものの機体塗装データ及び駆動パターン、稼働センサー群反応をメイヴィスが即座に吟味した所、それがかつてターミナルスフィアの技術開発部が手掛けた産物であるという結果が導き出された。 ノウラは大した意味はなかったが軽く肩をすくめ、口許で転がしていた紙巻煙草を指に挟み込む。 「つまり、統一政府という線がやはり濃厚か……」 ──三年前、支配企業群が共同出資運営していた技術開発系組織【ジシス財団】は、技術簒奪を狙う企業同士の内紛によって組織的解体に追い込まれた。その際、統一連邦政府は財団で開発研究されていた最重要兵器開発要綱【ネクスト】に関連する複数資材を奪取した。 それから現在に至るまで、統一政府が秘密裏に運用している【紅い亡霊】の劣化品は、当時奪取された関連資材から着想を得て製造されたものである。 試験型ネクスト技術を導入し、それら機能を人工知能によって機動制御させることを実現した完全なる無人機──ナインボール・コピー。 ジシス財団解体後、独自のネクスト兵器開発で暗礁に乗り上げていた統一政府に故在って出向し、高性能型人工知能の開発分野を担当したのが当時のターミナルスフィアであり、設計を手掛けた中核人物がノウラその人とメイヴィス、そして隷下の技術者集団【エンシェント・ワークス】だった。 ナインボール・コピーの運用理念は導入技術の実用性を求める為だけに採用され、結果的に旧世代兵器群の攻勢に対して圧倒的な戦火を上げた。 世間的に──それでも非公式的に過ぎないが──知られている“赤い亡霊”に関する神話はそこに端を発しており、その大半が兵器災害による被害規模が膠着し始めた二年前以前までの事である。 ナインボール・コピーの実用性が確認された後、組織運営の都合上ノウラは統一政府との技術提携を解消し、それ以降前者とターミナルスフィアがネクスト開発に関係して積極的な接触を取ることはなかった。 ──遺失技術文化社団【ターミナルスフィア】にも、組織としてそろそろ始動せねばならないプロジェクトが待っていたからである。かつての財団発足に携わり、他の支配企業と同様隷下の技術者達を派遣して解体までの数年間に培われた技術情報──ターミナルスフィア個人にしても、それを野放しにする理由はどこにもない。 通信終了後続けて転送されてきた提供報告を把握し、その中のひとつに保存されていた映像ファイルの中にきわめて見覚えのある長身の男と精緻極まる技巧人形のような顔立ちをした少女──ソリテュードとアリスか──の姿を見咎め、ノウラは必然的にひとつの可能性に行き着くことができた。 「ふむ。統一政府も、よくよく無茶が好きなようだな。それでこの様か──」 そう忌々しげに呟き、ノウラはノブに手をかけてドアノブをスライドさせた。硝煙の濃い匂いの交る突風が機内に一瞬巻き込み、ノウラは乱れた自身の黒髪は掻き梳いた。 眼下に広がる、人類最後の庭園という栄誉を冠された都市の惨状──。 整然と林立する超高層ビル群の遥か下層、不完全な闇に落ちた地上部で激しい火線が行き交い、その戦火の拡大は留まるところを知らないようだった。既にいくつかの超高層ビルは侵略によって火災に見舞われ、轟々と内部から黒煙交じりの炎を吹き上げている。 エデンの各空域でも侵攻部隊と防衛戦力の航空兵器同士が戦火を交え、赤々しい火球が至るところで発生していた。 「──連邦の都市管理局とは無関係のようだが、さて……」 統一連邦エデンⅣ直轄都市管理局の連邦法該当規定を発動し、駐留軍総司令部が作戦指揮を公に取っている当たり、侵攻勢力とは無関係という見方をして問題はないだろう。 仮にどこかの一派が独断専行で今回の騒乱を引き起こしたとして、そいつらの存在自体は旧世代兵器群の武力侵攻という致命的な混乱が隠れ蓑となり、その存在が明るみでることはないはずだ。 ──エデンⅣに潜伏している生体CPUの奪取が目的として、なぜこの時期なのか? ──どこから奴らはその存在を知った? 常に状況の先を読む為、職業病の一貫として思案に耽りかけていたノウラにメイヴィスが声をかけた。 「ノウラ、コーテックスビルまで残り二分です」 「──ああ。見えてきたな」 ノウラはレール部分に足をかけて身を乗り出し、輸送機部隊の進路上に在る一際巨大な複合産業建築物群──グローバル・コーテックスエデンⅣ支社ビルを視界に映し出した。 既に建築物自体の防衛機構も発動しており、ビル各所から防衛用の大口径艦載砲や対空迎撃用機関砲、誘導ミサイルシステムなどが配備されている。もしも人類最後の楽園であるエデンⅣの外壁が破られた時、最後の要として残されるのが、グローバルコーテックスの要塞の如き守りだった。 その時、輸送機のパイロットがヘッドセットのマイクを通じてノウラに狼狽めいた言葉を出した。 『広域索敵レーダーに動体反応多数。──旧世代兵器群です!』 その報告を耳にした時、ノウラは既に旧世代兵器群と思しき航空戦力が八時の方角から接近してくる様子を肉眼で捉えていた。先ほどまでその方角で交戦していた防衛戦力の全ては圧倒的な質量差の前に壊滅させられたらしく、炎に包まれた残骸が丁度地上へ向けて落下してゆく最中だった。 「迎撃陣形を取れ。接近される前に撃破しろ」 ノウラの冷静な指揮指示にパイロットも安堵したらしく、命令を復唱する。輸送部隊を護衛していた複数機のガンシップが八時の方角に展開して迎撃隊形を整え、機体搭載の35ミリ航空機関砲による弾幕掃射を始めた。大気を切り裂く轟音が周囲へ伝播し、続いて固定ポッドから数十発に及ぶ大型ロケット弾が射出され、前方空域に巨大な火の海を演出した。 『レーダー上、動体反応尚も多数。止められません──!』 今の一連の迎撃戦闘で前衛の航空戦力は殲滅したようだが、すぐに現れた増援勢力が火炎の中を突き破って突進攻撃を仕掛けてくる。高密度の迎撃射撃をガンシップが展開するが、それでも圧倒的な質量差で迫るそれらを寸秒程度すら止められない。 『動体反応尚も接近、突破されます──』 弾幕を搔い潜った旧世代兵器群がガンシップのすぐそばまで迫り、パイロットは既に自分の死でも覚悟していたのだろう間切り声を上げる。 しかしノウラは、 「焦るな。ほら、増援のお出ましだ──」 ノウラが視線を変えてみていた先──コーテックスビル空域防衛網から誘導ミサイルの群列が高速飛来し、眼前に迫っていた旧世代兵器群を側面から全て叩き落とす。その一瞬の隙に発射源であった味方増援の空戦特化型MT部隊が、輸送部隊の前に割って入る。 空戦MT部隊の指揮官からと思しき通信要請が入り、パイロットに回線開放を指示した。 『此方、GCエデンⅣ陸軍第三四機械化部隊だ。遅れてすまない』 「此方、ターミナルスフィアだ。増援、礼を言う。統合司令部現着までの間、掩護を頼む」 空戦MT部隊は迅速に広範囲にわたって迎撃陣形を展開し、正面から迫りくる新たな旧世代兵器群に向けて迎撃戦闘を開始した。その苛烈な様子を視界の隅に残し、ノウラは統合司令部への急行をパイロットに指示する。 MT部隊の防衛戦闘が功を奏したらしくその後まもなくしてターミナルスフィアの輸送部隊はコーテックス空域防衛網に進入、コーテックス統合司令部管制室からの指示に従って複合産業建築物群の間を飛行し、ビル上部に設置されていた広大な敷地の着陸ポートへ順次輸送機を着陸させた。 メインローターが生む突風が収まらぬうちに機内から着陸ポートへ足を下ろし、速やかな指揮系統の確立をメイヴィスに指示すると、彼女は頷いて別機に搭乗していた情報技術班を招集、出迎えに来た統合司令部の使者に案内されてビル内部へと向かっていく。 その様子を見送り、ノウラはすぐ傍の着陸ポートの縁に歩み寄り、そこから一望できる眼下の凄惨な戦場に臨んだ。短くなった吸殻を放り捨て、新たな紙巻煙草を取りだして咥える。蛇革の愛用のオイルライターを擦過させ、吹きつける突風に消されぬよう速やかに先端に紅点を灯す。 肺腑に紫煙を深く吸い込んで糸のように細く吐き出した時、背後に感じ慣れた古い知己の気配を感じた。あえて振り向く事無くその人物が隣にやってくるのを待って、ようやくノウラは視線を横に向けた。 「お久しぶりです、──グアルディオラ社長」 その名を呼ばれたグローバルコーテックスエデンⅣ支社長──エウヘニア・ベルグラーノ・イ・グアルディオラは口許に淡い笑みを浮かべてはいるものの、僅かに気後れするような微妙な表情をしていた。その表情を目の当たりにしてノウラ、軽く口許を歪める。 「状況が状況だわ。古い知己の常でお願い、イアマール──いえ、ノウラ?」 古い知己であるが故に、エデンⅣに事務所機能を移転してきた5年前以降直接顔を合わすこともなかった彼女のその頼みに応じ、仕方なくノウラは態度を崩した。 「──すまない、エウヘニア」 「統合司令部の指揮機能確立は急ピッチで進められているわ。戦線確立までには、何とか間に合いそうかしらね」 「さすがだな──御上が手練だと、下も仕事が早い」 「私が現役だったのは25年も前の話──貴女に比べれば、私なんて素人の域よ」 そのどこかむずがゆさを覚える称賛にノウラはあえて返事を返さず、紫煙を吹かした。傍に佇むエウヘニアも自前の嗜好品である葉巻を咥える。 「今回の騒乱、貴女達はどう見ているの?」 「──ただでは終われんだろうな。どの推測も可能性の域を出てはいない」 「構わない。今は要点のみを言って……」 忌憚なく問いかけるエウヘニアの言葉に、やはりこの女は私と違って一流の政治家なのだなとノウラは胸中で感嘆した。眼下の戦場の光景を一風景として見やりつつ、ノウラは一時思案してから、 「──統一政府による手管の可能性が、現在は濃厚だ」 その発言に予想通りというかなんというか、エウヘニアは葉巻を挟み込んだ指で軽く額を押えて見せた。 「どこか、心当たりでもあるのか?」 「ええ、さっき少しね──。統合司令部はあっち、其処で少し話しましょう?」 突風の吹き付ける野ざらしの場所で長々と話をすべきでもないと考えなおしたのだろうエウヘニアはそう促し、ノウラはその場に吸い差しの煙草を落としてかかとで踏みつけた。 その時、数機から成る輸送ヘリが機動装甲車を牽引して着陸ポートに降下し、着陸してきた。輸送機及び装甲車に貼りつけられている部隊章はターミナルスフィア直属の軍事力──先ほど作戦に参加していた【バラハ01】のものだった。 機動装甲車後部の開放されたハッチから次々と兵士が飛び出して資材を持ち出し、一時遅れて【バラハ01】の情報技術班が関連資材を持ちながら出てきた。 そして、最後に【バラハ01】の指揮官であるガロと同じく作戦に臨んでいたリサの姿を見咎めると、二人も此方の姿を視認し、ゆっくりとした歩調で近づいてきた。 「──作戦は完結。新規作戦【セント・シルヴィナ】の発動に準拠し、俺もすぐに出撃する。構わんな?」 「ああ。部下を連れていけ。既に機体はコーテックスの指定ハンガーに搬入してある」 「了解──」 部下のガロと短いやりとりを交わし、彼がすぐに部下を連れてその場を去った後、右手に立つリサの佇まいを一瞥した。彼女自身は無傷ではあったが、純白のタイトスカートは煤に塗れ、各部は銃弾が掠めたのだろう無残に切り裂かれていて、何ともまあといったところだが、下手な言い方をすれば扇情的と言えなくもなかった。 「ご苦労だったな、リサ」 「いえ。統合司令部へ出向し、オペレートを開始します」 「その前に着替えろ。私のロッカーに服がある。適当に見繕ってから来い」 「──分かりました」 鋭い眼光を一切崩さない彼女は短く返答を返し、ノウラが乗って来た輸送機の中へ姿を消した。 一連の様子を見守っていたエウヘニアの方へ振り返り、先を促す。足早に進むエウヘニアの後を追って着陸ポートを後にし、周囲を警護達に囲まれていくつもの連絡通路を抜けた末、厳重なセキュリティロックがかかった扉の先へ入る。 既にそこでは都市全域から招聘を受けた軍事勢力が共同して指揮系統の構築にあたり、その中にターミナルスフィアの面々の顔も無論ある。 軍事分野における電子技術の最先端が集約された司令部施設は、室内中央の投射型メインモニターとエデンⅣ都市全域を模した三次元マップに各司令機構からの提供情報が表記されるようになっており、それを中心して同心円状に各司令部の専用ブースが設けられている。その一階と吹き抜けで直結している二階部分にも同様のスペースがあり、既に一部機能し始めている指令機構からの提供情報がメインモニターに次々と舞い込んで来ていた。 エウヘニアに連れられて主通路から内郭階段を上り吹き抜け二階の統合司令部最高議長のワークブースの手前、吹き抜けに面した欄干部で立ち止まった。窓硝子からのぞく事の出来る室内には。既に膨大な量のファイル文書が持ちこまれており、情報技術員達が整理業務に奔走している。 ワインレッドを基調とした見事な装飾のスーツを着こなすカルディナは、内ポケットからウェアラブルモニターを取り出してノウラに差し出した。手渡されてすぐに起動した画面を注視した。 そこには航空戦力部隊が撮影したと思しき地上映像が映し出されており、そこでグローバルコーテックス所属のAC機体が敵性勢力と交戦している最中だった。なんてことのない、現在外部で展開中の戦闘のひとつだと思ったが、ノウラはコーテックスのACが相手にしている機体を見咎め、エウヘニアの言葉の心中を察した。 「貴方が到着する直前の映像よ──。既に我社のレイヴンが一機、撃破されています。確信はなかったけど、貴方の推測通りなら、これは実に忌々しき事態だわ……」 ──コーテックス所属のACを相手にしていた敵対勢力の機体、全身に鮮血を浴びたような塗装を施されたその既存ACに極めて近い機体は、現場にいる者にとっては全くもって知覚外の機動力を使いこなしている。そして、ノウラが画面を見始めてからわずか数十秒足らずでコーテックスのACは致命的な損壊を受け、その場で炎を吹き上げながら路上に崩れ落ちた。 「此れを知っているものは?」 「撮影した航空戦力と技術情報部、それにオペレーター部門の担当者と私だけ。現在、二部が共同して追跡に当たっているわ。全く、なんてことになったのかしら」 返したウェアラブルモニターをしまうエウヘニアは、厳しい表情を作る。 既にグローバル・コーテックス陣営の主戦力にまで被害が及んでいるとは、統一連邦も目的遂行の為には何事も厭わないつもりのようだ。そこに、今回“赤い亡霊”を送り込んでいた勢力の根本的体質が反映されているとノウラはそれとなく見立てを立てた。 ヘッドセットからメイヴィスの無線が入り、ノウラは欄干越しにターミナルスフィアが機能確保の作業をしている専用ブースを見下ろした。 『指揮機能確立、完了しました。全戦力への状況動発指令は此れを随時可能です、ノウラ』 「わかった。各通常戦力にオペレーター支援を配備し、即座に状況を開始しろ」 『了解。AC戦力はどうしますか?』 「ヤツらは個々で構わん。──其れを嫌うからな」 そう言い切ると、専用ブースで代理として陣頭指揮を執るメイヴィスは略式敬礼で了解の意を示し、コンソール作業に戻った。隣に佇むエウヘニアに視線を戻し、 「心配せんでも、この騒乱を鎮圧すれば、我々が求める限り自ずと事態は明るみになる。今は、この状況を乗り切る事を最優先に考える事だな」 「そうね……。ノウラ、貴女がこの場に居て本当に助かるわ」 「身分不相応だな。では、私も状況を開始します」 最後に互いの立ち位置を明確にするため、略式敬礼を交わして踵を返した。連絡通路から内郭階段を降りメイヴィスが代理指揮を執る専用ブースへ足を踏み入れる。既に膨大な量の戦況資料が舞い込んで来ているコンソールに腰を下ろした。 『此方【シックフロント】、此れより当該戦域へ向けて出撃する』 「此方コントロール、了解。気をつけろ、ガロ。──もしもの場合は、分かっているな?」 『問題ない。状況を開始する──』 →Next… ⑥ コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/armoredcoreforever/pages/341.html
ACV/ORDER MISSION 6 ACV/ORDER MISSION 6ORDER MISSION 51フリューテッド ORDER MISSION 52カルナバル ハイドアンドシーク ORDER MISSION 53ファタ・モルガナ キラーステック ORDER MISSION 54 ORDER MISSION 55 ORDER MISSION 56ビーハイブ タイプA1 ORDER MISSION 57不聞 ORDER MISSION 58フリップフロップ プラネタリ ORDER MISSION 59 ORDER MISSION 60 コメント ORDER MISSION 51 エリア ALPINE BASE 敵対勢力 ミグラント 敵主戦力 AC フリューテッド 最大出撃人数 2名 作戦目標 敵ACを撃破せよ 攻略難度 5 成功酬額 219900Au チームポイント 160 ランクボーナス S:100 サブクエスト1 時間制限(30秒以内にミッションクリア) サブクエスト1報酬 10000 サブクエスト1チームポイント 10 サブクエスト2 損害軽微(総ダメージ5000以下でミッションクリア) サブクエスト2報酬 20000 サブクエスト2チームポイント 20 フリューテッド AP 46086 防御属性 KE CE TE - 1347 1523 3939 HEAD BEOWULF HD103 CORE KT-1O5 ARMS KT-1S5-2/VOLGA2 LEGS ULG-93 SATPURA 装備位置 武装 攻撃属性 攻撃力 LA KO-5K3/ZAPYATO KE RA MAGNOLIE CN23 KE SU UVF-15 JABALPUR KE RH CERCIS BR424 CE 下に降りずに中距離からの速攻がおすすめ。速攻に失敗するとトンネルに入ってしまい上から狙いづらくなるので注意。 ORDER MISSION 52 エリア ALPINE BASE 敵対勢力 ミグラント 敵主戦力 AC カルナバル/ハイドアンドシーク 最大出撃人数 2名 作戦目標 敵ACを撃破せよ 攻略難度 7 成功酬額 541200Au チームポイント 210 ランクボーナス S:100 サブクエスト1 時間制限(1分以内) サブクエスト1報酬 20000 サブクエスト1チームポイント 20 サブクエスト2 損害軽微(10000以下) サブクエスト2報酬 30000 サブクエスト2チームポイント 30 カルナバル AP 24667 防御属性 KE CE TE - 1598 232 391 HEAD RUGERRO HD35 CORE WODAN CR110 ARMS SEINE AM106 LEGS ULG-30/L 装備位置 武装 攻撃属性 攻撃力 LA USJ-22 LOCKPORT TE RA UMJ-05/H TE SU USM-13 GULBARGA CE LH UEM-45 TE RH GARANCE PG11 TE ハイドアンドシーク AP 39469 防御属性 KE CE TE - 1155 3661 304 HEAD UHD-13 GALAHAD CORE KT-3O2 ARMS KT-4S3-2/NARVA2 LEGS GUADALUPE LG18 装備位置 武装 攻撃属性 攻撃力 LA USR-12/V KE RA AKAZIEN SR15 KE SU CIWS-8 NAGPUR KE LH KO-2K KE RH URF-15 VALDOSTA KE カルナバルはジェネレータジャマーと駆動ジャマー持ち。固まったところをハイドアンドシークがW砂で撃ってくるという構図。 ORDER MISSION 53 エリア ABANDONED CITY・右下 敵対勢力 ミグラント 敵主戦力 AC:キラースティック/ファタ・モルガナ 最大出撃人数 2名 作戦目標 2機の撃墜 攻略難度 7 成功酬額 505500 チームポイント 160 ランクボーナス S:100 サブクエスト1 時間制限 サブクエスト1報酬 20000 サブクエスト1チームポイント 20 サブクエスト2 損害軽微 サブクエスト2報酬 30000 サブクエスト2チームポイント 30 ファタ・モルガナ AP 43502 防御属性 KE CE TE - 828 4135 421 HEAD ROLANG HD41 CORE KT-3O2 ARMS EMS AM28-2S LEGS GRAPPA LG665 装備位置 武装 攻撃属性 攻撃力 LA LOWENZAHN GT21 KE RA USC-26/H SALEM KE SU AVENA BMD79-2 KE RH CYCAD SR03-2 KE キラーステック AP 31264 防御属性 KE CE TE - 968 766 670 HEAD UHD-22 LANCELOT CORE KT-3O2/XIEZHI ARMS KT-1S/AMUR LEGS ULG-30 RUIZ 装備位置 武装 攻撃属性 攻撃力 LA AULNEE LR230 TE RA UEM-45 TE SU ANTHEMIS AS18 CE 四脚でスナイパーキャノンを持った狙撃型と、パルスガンを持った軽量逆関節のコンビ。 スナイパーキャノンの射程は次の路地に入ったくらいからあるので、即右移動すると◎。 四脚はテラスのあるビルの中層に、逆関節はそのビルの真裏辺りに居る。どちらもKE弱点。 ORDER MISSION 54 エリア URBAN AREA・右側 敵対勢力 ミグラント 敵主戦力 偵察型、支援型、防御型、各砲台 最大出撃人数 2名 作戦目標 指定領域内の敵を全て撃破 攻略難度 5 ハハ!ワロス 成功酬額 チームポイント ランクボーナス S: サブクエスト1 時間制限(2分以内にクリア) サブクエスト1報酬 10000 サブクエスト1チームポイント 10 サブクエスト2 損害軽微 サブクエスト2報酬 20000 サブクエスト2チームポイント 20 狙撃型、機動型、防衛型、戦車と航空機がそれぞれ10数体。つまり50~60体の敵がいる。何この物量?ふざけてるの? 敵が多い、遠い、濃いの三拍子揃うように見事な配置になっている。 よく開始地点に居る高機動型を1匹取り逃して、5分くらい延々と探し回ることになりがち。 クリアするだけなら、開始地点から真っ直ぐ川を超えてルートを逆回りすると、背後を突けて簡単。 時間制限のサブクエストを取ろうとすると難易度が跳ね上がる。 敵の処理方法に問題の大部分がある 機動型は視界から消える前に一刻も早く排除。 防衛型はCEロケットで一刻も早く処理。 防衛型、支援型の処理にブーストチャージやレザブレを使っていては間に合わない。 ビルを登っている暇はない。W400ガトで溶かせ。 それでも間に合わないなら傭兵を雇用しよう。 ここまで気を付けていても、ビルの間に支援型が挟まっていたり、エリア外に高機動型が抜け出していたり・・・。 とにかく撃ちもらしを絶対に作らない。 ORDER MISSION 55 エリア ALPIN BASE・右上 敵対勢力 ミグラント 敵主戦力 キャノン砲台、榴弾砲台 最大出撃人数 2名 作戦目標 攻略難度 5 成功酬額 157300 チームポイント 100 ランクボーナス S: サブクエスト1 時間制限(3分以内にクリア) サブクエスト1報酬 30000 サブクエスト1チームポイント 30 サブクエスト2 損害軽微 サブクエスト2報酬 10000 サブクエスト2チームポイント 10 4分以内クリアの時間制限あり。 「砲台だけの小規模な戦力」とある時点で「追加増援が来るんやな」と予想できればあなたも立派なフロム脳。 崖の方から機動型と防衛型が駆けつけるので、撃ち漏らさずに撃破すればクリア。 400ガトリングと高威力ライフル、防衛型を仕留めるロケットさえあれば軽量機体でも余裕。 ORDER MISSION 56 エリア ABANDONED CITY・右上から二番目 敵対勢力 ミグラント 敵主戦力 AC:ビーハイブ タイプA1 最大出撃人数 2名 作戦目標 敵ACを撃破せよ 攻略難度 7 成功酬額 200800 チームポイント 140 ランクボーナス S:100 サブクエスト1 時間制限 サブクエスト1報酬 10000 サブクエスト1チームポイント 10 サブクエスト2 損害軽微 サブクエスト2報酬 20000 サブクエスト2チームポイント 20 ビーハイブ タイプA1 AP 29379 防御属性 KE CE TE - 2400 397 523 HEAD UHD-10 TRISTAN CORE OSTARA CR113 ARMS UAM-10/A LEGS ULG-09/A 装備位置 武装 攻撃属性 攻撃力 LA UBR-05 CE RA KO-2K KE SU USM-13 GULBARGA CE バトルライフルとライフルを装備した中量機体。 CEに弱いのでバトルライフル両手持ちで楽勝。機動性が高いのでヒートパイルは不向き。 ORDER MISSION 57 エリア URBAN AREA・侵攻ミッションの右上 敵対勢力 ミグラント 敵主戦力 AC:不聞 最大出撃人数 2名 作戦目標 攻略難度 7 成功酬額 271200 チームポイント 130 ランクボーナス S:100 サブクエスト1 時間制限(30秒以内にミッションクリア) サブクエスト1報酬 10000 サブクエスト1チームポイント 10 サブクエスト2 損害軽微(総ダメージ5000以下でミッションクリア) サブクエスト2報酬 20000 サブクエスト2チームポイント 20 不聞 AP 28153 防御属性 KE CE TE - 863 915 355 HEAD UHD-13 GALAHAD CORE HERMES CR212 ARMS ILMENAU AM28 LEGS ULG-20/L 装備位置 武装 攻撃属性 攻撃力 LA UHG-22/A PROVO KE RA KO-2H6/STREKOZA CE SU USM-14 MATHURA CE RH ULB-13/L UTICA TE レーザーブレードとバトルライフルを装備した近距離戦機体。 とにかく動きが素早く、町中なのでロックオンもしにくい。防御力は低いのでパルスマシンガン辺りで仕留められる。 ORDER MISSION 58 エリア HUGE CANYON・左上 敵対勢力 ミグラント 敵主戦力 AC:プラネタリ/フリップフロップ 最大出撃人数 2名 作戦目標 攻略難度 7 成功酬額 590900 チームポイント 160 ランクボーナス S:50 サブクエスト1 時間制限 サブクエスト1報酬 20000 サブクエスト1チームポイント 20 サブクエスト2 損害軽微 サブクエスト2報酬 30000 サブクエスト2チームポイント 30 フリップフロップ AP 33902 防御属性 KE CE TE - 893 3287 218 HEAD HERACLES HD226 CORE HERMES CR212 ARMS KT-4S2/SVIR LEGS KT-2N3/PUTUO 装備位置 武装 攻撃属性 攻撃力 LA CYCAD SR03-2 KE RA SEIDENBAUM SR13 KE SU USC-1 DHANBAD KE LH URF-15/A JESUP KE RH KO-5K2 KE プラネタリ AP 45607 防御属性 KE CE TE - 1354 1583 3913 HEAD RUGERRO HD35 CORE KT-1O3 ARMS KT-1S5/VOLGA LEGS ULG-93/D 装備位置 武装 攻撃属性 攻撃力 LA KO-8K2 KE RA AZALEE CN30 KE SU USC-1 DHANBAD KE LH USG-23/H KE RH ULR-22 OLYMPIA TE オートキャノンを持ったタンク型と、スナイパーライフルを持った四脚のコンビ。 どう見ても狙撃役は逆重です本当にありがとうございました。 開幕の狙撃の後、タンクが弾幕を張るスタイル。弱点は共にKE。 KEを固めてパイルでタンクは撃沈。四脚もガトリングとショットガンで簡単に沈む。 現行レギュではガトショは難しくなったがTANSYやサブコンタンクキャノンでも十分対応できる。 時間制限を狙うなら、スタート後高速でタンクに詰め寄ってパイルを打ち込み、残りはパルスマシンガンとロケットを当て続ける。 ORDER MISSION 59 エリア BURIED FACILITY・左下 敵対勢力 - 敵主戦力 未確認機射撃型、未確認機突撃型 最大出撃人数 2名 作戦目標 6分以内に指定領域内の敵をすべて撃破 攻略難度 5 成功酬額 チームポイント 100 ランクボーナス S: サブクエスト1 時間制限(5分以内) サブクエスト1報酬 20000 サブクエスト1チームポイント 20 サブクエスト2 損害軽微(10000以下) サブクエスト2報酬 10000 サブクエスト2チームポイント 10 時間制限:6分。 大量の未確認機、特に突撃型が出現する。如何に被ダメージを抑えつつより多く倒すかがポイント。 面倒なミッション再び。いいか、俺は面倒が嫌いなんだ 基本はミッション33と同じだが、1回目の突撃型の出現地点が結構広い。視界外から文字通り横槍を喰らわないよう気を付けよう。 最後の戦闘地点は地雷が嫌な感じに散らばっている。踏まないように。 密集した突撃型にはパルスマシンガンが驚くほどに有効。もう一方にはバトルライフルの高威力を持ち、肩にはミサイル迎撃かENアンプを積むと◎。 最後の地点は左から回った方が敵密度・地雷なども少なくてオススメ。 ORDER MISSION 60 エリア BURIED FACILITY・侵攻ミッションの右下 敵対勢力 MoH 敵主戦力 戦車、偵察型 最大出撃人数 2名 作戦目標 攻略難度 7 成功酬額 243700 チームポイント 100 ランクボーナス S:100 サブクエスト1 時間制限(5分以内) サブクエスト1報酬 20000 サブクエスト1チームポイント 20 サブクエスト2 損害軽微(10000以下) サブクエスト2報酬 10000 サブクエスト2チームポイント 10 かなり多くの敵機が登場する。戦車、航空機、機動型、防御型程度でそう厄介な連中は出て来ない。 弾数に気をつけるように言われるが、パルスマシンガンとライフルで事足りる。後は立ち回り。 コメント 54の2分以内無理なんだが・・・ -- 名無しさん (2012-02-16 02 04 08) 知り合いに協力を仰ぐか傭兵を雇うと楽かも。知り合いとやって3回目くらいで取れた -- 名無しさん (2012-02-28 21 46 14) 59は収支190,641でAだった -- 名無しさん (2012-03-18 14 38 07) 59 215,900でS -- 名無しさん (2012-03-18 15 09 54) 59のSが厳しい…23万以上取っても、最終的な収支で20万以下に…。 -- 名無しさん (2012-03-25 20 15 37) 59は重2CE腕バトライとアンプパルマシ2丁ずつでS(233,500)。自爆型出るまえにやりすぎなくらい思いっきり引いとくと楽 -- 名無しさん (2012-05-15 23 48 11) 59 20万でもA おしいー -- 名無しさん (2012-12-18 19 12 15) 54ソロ2分行けたのでメモ -- 名無しさん (2022-12-27 01 51 50) ↑ 軽量逆脚でライフル(RF23)二丁と肩にヒートロケット(KO-8C4)ブースターはUBT-25/Hで他は極力EN消費が低い装備にして1分58秒。マップ上に居る敵の数は40機、数えながら進んで最初の11機(支援型2機まで)がグダったり、高機動型を深追いしなきゃいけなくなったり、最奥の的集団で40行かなかったら基本再走、高機動型最優先で防衛型や最奥の集団にはロケットぶっぱ、基本振り向かずに進めればベストですが、高機動型が後ろに行ってしまった場合等は高速旋回(地上で移動しながらブースト切った瞬間は旋回速度が早くなる)の使用を意識、後は敵の動き次第なのでほぼ運です(最重要)。長文になっちゃいましたが役に立てば幸いです。 -- 名無しさん (2022-12-27 02 43 38) 名前 コメント